【本】ヤン、ミリレン、ブラゲン『アドラー心理学を生きる 勇気のハンドブック』:アドラー心理学の「勇気」を実践する
木曜日はお勧めの本を紹介しています。
今回は、ヤン、ミリレン、ブラゲン『アドラー心理学を生きる 勇気のハンドブック』(川島書店, 2019)を取り上げます。
■要約
人生は個人にとって完璧ではない。失敗への恐怖、不完全さに対する受容、比較と競争への対処といった困難が待ち受けている。この困難への答えが勇気である。勇気は自分が誰であるのか、困難にあたって自分が何をしたのかを明確に認識させ、恐怖を前にしての粘り強さ、知性、耐性、持久力を必要とする。この本では、仕事の勇気、愛の勇気、友情と家族のための勇気(以上3つのライフタスク)、所属の勇気(社会との調和)、存在の勇気(実存のタスク)、精神的な幸福への勇気(スピリチュアリティのタスク)について論じている。
■ポイント
J. Yang, A. Milliren, M. Blagen “The Psychology of Courage” (2010)の翻訳です。訳は硬いので少し読みにくいかもしれません。Dreikursは「ドレイカース」とされていますけど、「ドライカース」で定着しているので、こちらの表記にしてほしかったところです。いずれにしても、またアドラー心理学の良書が日本語で読めるようになったことを喜びたいと思います。
「第1部 理論的基盤」では、アドラー心理学の全体像を、勇気と共同体感覚を中心にコンパクトにつかむことができます。
「第2部 社会生活の勇気」では、仕事、愛、友情と家族、所属、存在、精神的な健康のそれぞれにおける勇気について詳細に説明しています。
「第3部 勇気と実践」では、実際に勉強会やワークで使えるような質問、課題、プリントツールが収められています。特に「勇気を促すツール」では22種類のツールが提供されていて、すぐに使うことができます。
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