どんなときに「やる気」が起こるのか。
2017年3月14日
(火曜日は「教えること」のトピックで書いています)
勉強でも仕事でもスポーツでも、努力を必要とすることをしようと思うとき、どんな条件がそろうと「やる気(Motivation)」が起こるのでしょうか。
これがわかれば「あー、なんかやる気出ないなー」と言って、自分がやらなければいけないことになかなか手をつけられないこともなくなるでしょう。また、人に教えたり、指導する場合に、相手のやる気をうまく引き出すことができるでしょう。
ケラー(John M. Keller)は学習者のやる気が高まる条件を「ARCS動機づけモデル(ARCS Motivational model)」として提唱しています。それは、以下の4つの条件によって学習動機を高めることができるというものです(ケラー『学習意欲をデザインする』)。
A. (Attention 注意)
自分の好奇心が、今持っている知識とのギャップによって刺激されたとき
R. (Relevance 関連性)
学ぶべき知識が、自分のゴールに関連性があることに気づいたとき
C. (Confidence 自信)
マスターすべき課題の達成がうまくできそうだと思うとき
S. (Satisfaction 満足)
これをやれば満足な結果が生まれそうだと予想できるとき
これを応用すれば、教えたり指導する人が相手にやる気を持って欲しいときに、どのようにアピールすればいいかがわかります。それは、次のような方法です。
A. 相手の知識とギャップのあることをデモンストレーションして好奇心を喚起する
R. これから学ぶことが相手の個人的目標にも十分関係があることを説明する
C. これから取り組んでいく課題は相手にも十分達成できるものであることをいう
S. このコースが終えるとその後どのようないいことが起こるかを説明する
教えたり指導したりすることを仕事にしている人は、第一回目に、この4つのことを十分説明するべきです。そうすれば相手のやる気を引き出して良いスタートを切ることができます。
ARCS動機づけモデルを知っていると、自分のやる気を出そうと思うときにも、相手のやる気を引き出したいと思うときにも、効果的な方法を思いつくことができるでしょう。
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