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【アドラーオンライン】17 人はまず所属を求める

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。

前回まで、アドラー心理学の2つ目のキー概念である「ライフスタイル」を取り上げてきました。今回から「所属」について取り上げていきましょう。

所属 (Belongingness) とは、居場所のことです。もしあなたが「自分はここにいていいんだ」とか「自分はここでやっていける」とか「自分にはここに居場所がある」と感じているならば、あなたは所属がうまくいっていると言えます。そのときの所属先の集団のことを共同体 (Community) と呼びます。

人は生まれてからまず所属を求めます。なぜなら赤ちゃんとして生まれてきたら、まわりからの手助けがないと死んでしまうからです。最初に所属する共同体は家族です。家族に所属するのは、安全を確保し、養われる必要があるからです。

もう少し成長すると所属する共同体は友人関係に広がります。友人関係への所属は、特に遊んだり、一緒に行動し、そこから人間関係の作り方を学ぶために必要です。また、学校に行くようになると、クラスという共同体に所属するようになります。どのようなクラスに所属するかはほぼ偶然に決まります。偶然に決められたクラスの中で、自分が居場所を確保するためにはどのように振る舞えばいいのかを(無意識的にでも)考えることになります。そうしていくことで自分のライフスタイルが次第に固まっていきます。だいたい小学校の高学年までにはライフスタイルが固まります。

さらに成長して、社会に出て仕事をするようになると、共同体は仕事仲間に広がります。仕事仲間への所属は、一緒に仕事をして、報酬を得て、自分が生活していくために必要です。このころにはライフスタイルは固まっていますので、自分のライフスタイルを使って、どのようにして仕事仲間への所属を追求していくかが課題となります。もし自分のライフスタイルを把握していないと(たいていの人はそうです)、所属の追求が難しくなることがあるでしょう。

人は死ぬときまで所属を求め続ける存在です。仕事をリタイアして、仕事仲間への所属はなくなったたあとでも、友人関係への所属はまだ残ります。友人関係への所属がなくなったあとでも、最後まで家族への所属は残るでしょう。

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