
【アドラー教科書】(42) 仮想的目標から感情へ
火曜日は『アドラー心理学の教科書』の記事を連載しています。
2025年2月11日(火)
第2部 感情と信念
第5章 感情のしくみと目的
5.3 仮想的目標から感情へ
私たちはいつでも「仮想的目標 (fictional goal, guiding fiction) 」を無意識的に持っています。仮想的目標は、主観的な成功したときの理想イメージです。この仮想的目標に合致するように、状況に合わせて「その場のゴール (immediate goal) 」を随時作り出します。「こうなったらいいな」や「当然こうなるだろう」というイメージです。
しかし、現実世界では自分が生み出した「その場のゴール」はいつでもそのとおりになるとは限りません。その場のゴールが阻止されたり、期待と異なることが起こった場合は、なんらかの対処行動をとる必要があります。そのときに感情を発動して、対処行動を起こすきっかけとします。これが個人が感情を使う目的です。シャルマンが「感情は行動の触媒」 と言ったのは、感情が行動を起こすためのきっかけとして使われているということです。
ここから先は
986字
ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。