用事の前に、とある新古書店に寄った。「ブ」のつくあそこ。
立地により品ぞろえが大きく変わる。私が行ったそこは小さい店ながら品ぞろえの質はそこそこ。その用事の時は時間つぶしと待ち時間や帰りの電車で読む本を探してよく立ち寄ることにしている。
近隣住民で洋書が好きな人でもいたのか、面白い英文のファンタジー小説も見つけたことがある。ワゴンセールで300円くらいで売るには勿体ない。実はあまり人気がなかった小説だったのか。まさに掘り出し物。
割と久しぶりに行ってみたら文庫が少なくなっていた。前は100円コーナーと通常のコーナーで棚を占有していたのだが何があったのだろう。
ハードカバーコーナーで気になっていた小説を見つける。驚くほど高くはないが少しお得に買える程度だった。
持ってきた本2冊が移動時間や用事の待ち時間に読み終わりそうだったので購入した。
時計を見ると用事の時間になっていたので、急いで購入して同じ建物にある用事の場所へ向かう。が、5分前だった。
書店の時計が少し進んでいるようだった。そういえば前にも同じように感じたことがあったような気がする。
何か意味があるのだろうか。
そこで買った本は朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』(新潮社 2024)
一つの身体を共有する双子の姉妹の物語、ということで興味を持っていた。
一人の人、肉体として生まれて、成長していくにつれ感情を持ち、言葉で他者と伝えあう。
自分の体、自分の意識、自分の感情。誰もが当たり前のように捉えているものだが、本当に、自分の体や意識は自分だけのものなのだろうか。そもそも"自分"とは何なのだろうか。
そんなことを考えた。