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近世古文書が読めます。

特技の一つとして、専門(日本近世史、おおまかに江戸時代)の関係で、江戸時代の文書なら読める。その後の近代(明治以降)も。
今でも時々練習をしている。
今は研究からは離れているので、読めても特に使えることはない。
ただ展示がより楽しめたり、テレビの歴史番組でも解説を聞く前に内容がわかったりすることはある。字幕なしで英語が聞き取れるのに似た感じ。

たとえば2021年に江戸東京博物館で開催の展示「大江戸の華ー武家の儀礼と商家の祭」。

こちらは展示されていた文書のひとつ「黒印状」。

書かれている内容は下記の通り。
「為重陽之祝儀、/小袖二到来/歓思食候猶、
堀田筑前守可/申候也、
九月七日
稲葉右京大夫殿へ」

おおまかな内容は重陽(9月9日)に将軍へ献上された小袖のお礼。ちなみに私の研究内容は職人や技術者、有力農民などが書いた文書が主だったので、書式や使用している紙も全く違う。漉き返しで状態が危ないのもたまにあった。

研究自体も、古文書つまりくずし字が読めなくても実は論文は書ける。「●●県史」や「△△市史」といった自治体史の資料集などで翻刻(活字に直すこと)されている史料も多いし、卒業論文ならそれで充分かと。

ただ、自分で原文書を読んだ時の迫力はやはり違う。実際に紙を手に取って筆遣いをみると、書いた人の気持ちも伝わるような気がしていた。学術的なことには全く関係ない、気持ちの問題なのだけど。
何より原文書を読むことで、今まで誰も顧みなかった史実を発見することもある。とある文書館所蔵の史料でもそれを見つけて論文に発表したこともある。
そんなこともあって、大学生のうちに練習して読めるようになった。

活字になった資料を読んで文体を覚え(大体言い回しは決まっている)、くずし字辞典があるのでそれを参照しながら字のくずし方の特徴を覚える。
地名など固有名詞は、地名辞典などを参照。
その繰り返しでだんだんコツがわかり読めるようになる。数をこなすのが一番の上達のコツだと思う。

よく聞かれたのが、書道など自分で書くほうは得意なのか? ということ。
答えは「苦手です」。字は絶対に綺麗な方ではない。むしろ自分で書いた文字が後で読めないことも多い。
しかしショップで購入いただいた方には手書きの一筆を添えています。
怖いもの見たさでぜひ注文お待ちしていますww


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こひろ@こぎん刺しのテディベア作家kogin*bear style
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