春に咲く
-1話-
??「少年。」
俺(少年ってどんな呼び方だよ)
そんなツッコミを入れながら振り返る。
俺「ど、どちら様ですか?」
さっきまで全然喋ってなかったせいで声量が小さいが、相手は聞き取れたようだ。
??「あぁ、よかった。少年であってたか。」
俺(どっからどう見ても俺は男だろ…)
??「ふふ、もしかして俺はどう見ても男だろ。とか思ってる?」
俺「なんで、わかるんですか」
??「まぁほとんどの人が思っている事だしね。慣れているのさ。」
俺「んー?…てか、どちら様ですか?」
??「僕は宮無咲斗。先天盲なんだ〜」
俺「ミヤナシサクト?漢字は?先天盲って?」
咲斗「宮に無、花が咲くの咲に北斗七星の斗。先天盲は生まれつき目が見えない病気だと思ってくれればいいよ」
俺「宮無さん…どうして俺に声かけたんですか」
咲斗「咲斗って呼んでよ」
俺「…咲斗さんは」
咲斗「さん付けいらない!」
俺「…わかりました。」
咲斗「少年はなんて言うの?」
俺「春野です」
咲斗「下の名前は?」
俺「…」
咲斗「…教えてくれないの?」
俺「龍…」
咲斗「龍か!よろしくね!」
俺「え、また会うの?」
咲斗「うん。これから家に行こう。ついておいで」
俺「え、でも…」
咲斗「おいで」
俺「…はい」
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