オレンジ色に
バイト帰り空き地で手持ち花火をする高校生の集団を見つけた
悔しいのか寂しいのか怖いのか分からなくなってとりあえず目を逸らして逃げた
私が向かう先の空は暗い灰色なのに花火の集団のいた方向は綺麗なオレンジ色の夕焼け
私は過去にオレンジ色を落としてきてしまったのかもしれない
思い返すと今日一日が全部悪かったように感じた
体当たりしてきた得体の知れない虫、駐車場に落ちていた鼠の死骸、突然降り出す雨、まとまらない黒髪、上司からの無茶振り、電線の上で仲間外れにされる雀、群れに混ざれずのろのろと飛ぶ鴉、極めつけはあの集団
私も本当はあの場所で笑っていたのかもしれないのに
明日の仕事のことなんか考えず「宿題めんどいなー」「明日誰と遊ぼうかなー」なんて呑気なことを考えていたかった
朝早くから夜7時まで働いた
頑張っているはずなのに心が満たされない
私もオレンジ色になりたい
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