学生時代に一緒に暮らしたこともある親しい友人の結婚式があった。 色々考えたので、忘れないように記しておこうと思う。 ✳︎ ここ2.3年は毎月のように結婚式があった。結婚式には既に行き慣れていて、昔感じていたような高揚感・期待感はとうに感じなくなっていた。彼の結婚式も例に漏れず、消化すべき予定の1つで、言葉を選ばなければ、他の式よりも時間と金のかかるやや面倒な予定だった。 その認識を今となっては改めたい。素晴らしい結婚式だった。 ✳︎ 素晴らしさの所以は主に以下の3点
仄暗い階段を降りたところにある古びた映画館。 学生料金ではなくなったことに一抹の淋しさを覚えながらも入場券を買う。 髪を結んで、まだあどけなさの残る女性に券を渡して入り口をくぐる。 館内の光量は、階段よりは少し明るいものの百貨店などではありえないほど暗い。 今日のラインナップは『アデルブルーは熱い色』と『君の名前で僕を呼んで』の二本立てだ。 まだ前の回の上映が終わっていなかったから、待合用のソファに腰をかける。 会場五分前だというのに待ってる人は2人しかいない。 右に座