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「フードデザイン」をよりよく知れる本棚

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デザインやアートだけでなく研究領域なども対象に、フードデザインに関連した本を紹介します。
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記事一覧

フードデザイン/アート/カルチャー2|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  今回はフードデザイン/アート/カルチャーの書籍を紹介する後編の記事です。中期的なフードデザインの歴史において取り上げられるDaniel Spoerri(1960年代にEat Artのムーブメントを主導した)や、短期的な歴史に大きな影響を与えたエル・ブジのクリエイティブチームメンバーのひとり、Luki Huberなどの作品集を取り上げつつ、食とデ

フードデザイン/アート/カルチャー1|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  今回はこのシリーズ最後のトピック「フードデザイン/アート/カルチャー」についてです。なぜこれらのトピックに注目するかと言うと、既存の食を見つめ直し、新たな食に向き合うために重要な側面だからです。  最近話題になった「マイコプロテインを主原料とした、3Dプリンタで作られる代替サーモン」のように、科学技術の進展によって新しい食のあり方が急速に現れる

フードデザイン事例集|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  食とデザインの文脈における取り組みだけでなく、食をデザインすることを考える上で学ぶべき事例は数多くあります。その土地での気候に沿った食材の加工方法や、食を起点にした都市計画、ひとつの食材を様々な角度で掘り下げる方法、食材を調達する方法、食のために作り出されてきた道具、持続可能性のために取り組むレストランなど、過去と現在のフードデザインを知るため

フードデザイン作品集|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  今回はフードデザインの作品やプロジェクトを掲載する書籍を取り上げます。1冊目と2冊目はすでに世にある食に関する製品やパッケージ、空間の中でどのようにデザインが活かされているのか?という視点から、結果としてのフードデザインの姿が描かれています。その後、フードデザインの考え方に従って取り組まれたプロジェクトや、その成果物としての作品やコンセプトモデ

フードデザインリサーチと周辺研究領域|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  今回は少し目線を変えて、フードデザインの学術的な側面に触れていきます。そういう領域が存在するんだな!ということをお伝えできればと思います。ただし、前回紹介した日本国内における栄養学や家政学を中心としたフードデザインの研究ではなく、デザイン分野から広がったフードデザインの研究について取り扱います。  ここでフードデザインリサーチとは、デザイン理論

日本におけるフードデザイン|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  これまでは主に欧州で展開されていたフードデザインに注目してきましたが、今回は日本におけるフードデザインに焦点を当ててみます。 選書〈日本におけるフードデザイン〉日本においては、家庭科の一科目としてフードデザインという言葉が使われています。  この言葉が家庭科の内容に組み込まれたのは、平成10年(1998年)に告示され、平成15年(2003年)

フードデザイン展覧会カタログ|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  これまでが比較的個人のデザイナーに注目していましたが、今回はデザイナーの作品やプロジェクト、インスタレーション、あるいは実装された事例などを幅広く取り扱った「フードデザイン」をテーマにした展覧会のカタログを紹介します。 選書〈展覧会カタログ〉ちなみに、今回も紹介する書籍から引用文をいくつか取り上げていますが、これらの引用を通じて、フードデザイ

フードデザイナー第2世代|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  デザイン文脈におけるフードデザインは基本的にヨーロッパを中心に広がっているため、第1世代のデザイナーたちはオランダやスペインなどで活動する人々に限定されていました。  しかし、2010年以降に活躍し始める第2世代のフードデザイナーたちは、欧州のみならず、南米や台湾などを拠点にして活動しています。今回紹介するうちのひと組 UOVO Food De

フードデザイナー第1世代|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに先日発表された「食文化デザインコース」開設のニュース、みなさんはもうご存知でしょうか。ついに国内の芸術大学で「食」を本格的に学べる日が来たことにとても感銘を受けています!完全オンラインとのことで、味や香りを間接的に伝え合う必要があるため、なおさら表現力が鍛えられそうですね。  国内でフードデザイナーとして長く活動されてきた中山晴奈さんや、分子調理をはじめ、新しい食の研究を牽引する石川伸一さん、世界中の台所を巡り各国の暮らしや社会の姿を発信する岡根谷実里さんなど、日頃か

「人新世の料理本」|フードデザインをよりよく知るための一冊①

人新世の料理本? これからのフードデザインをよりよく知るための本を勝手に紹介していきたいと思います!その第一弾がこちら… 『THE ANTHROPOCENE COOKBOOK: Recipes and Opportunities for Future Catastrophes』 「地球が危機的な状況になる時、これまで"あまり"食べられてこなかったもの(昆虫、培養肉、藻類、ゲノム編集食材、腐敗したもの、ゴミ、空気、プラスチック、バクテリア、尿、人肉、など)を食べることは可能

フードデザイン・オンライン・ライブラリー|フードデザインをよりよく知るための本って何があるの?

SPACE10に学ぶ、ライブラリーの重要性 最近、IKEAのイノベーションラボ「SPACE10」のオープンスペースがよりオープンスペースになり、人々が集まり、本を読んで、研究して、アイデアを共有したり、はたまた最新プロジェクトの展示を見たり、コーヒーを飲んだり…そんな空間にリ・デザインされたそうです[ * ]。 SPACE10は、近年、そこに集まった人々の多く(87%)がインスピレーションや新しいアイデアを求めていること、そして約半数(59%)は同じ志向を持つコミュニティ

『フードデザイン 未来の食を探るデザインリサーチ』が出版されました

はじめに 『フードデザイン 未来の食を探るデザインリサーチ』の刊行から3ヶ月ほど経ちました。 主著者の緒方胤浩です。名もなき博士課程学生ですが、この度本書の執筆を任せていただきました。この記事では、改めて本書の紹介をさせていただこうと思います。 本書は、デザインの文脈から「フードデザイン」を本格的に語る、説明する、紹介する、実践する書籍は国内においては初めてのものになるかと思います。食に関わる全ての人(=全ての人類?)に読んでいただきたいですが、特に「食をデザインする」こ