立法の不作為は違憲審査の対象となるか
新たなる国賠報道のあった先週
改めて、基本に立ち返って学びの確認
司法試験受験生の多くが手にとる、芦部憲法を確認してみる!!
憲法により明文上ないし解釈上一定の立法をなすべきことが義務づけられているにもかかわらず、正当な理由もなく相当の期間を経過してもなお国会が立法を怠ったような場合には、その不作為は違憲と言わざるを得ないが、それによってただちに裁判所による違憲審査が是認されるわけではない。
しょっぱなからつまづく
その不作為は違憲だが、違憲審査が是認されるわけではない???違憲じゃないってこと???はて?????
台湾人元日本兵の求めた損失補償請求事件
・立法不作為の違憲確認訴訟を行政事件訴訟の定める無名抗告訴訟として認めて注目
・<認められる条件>①立法をなすべき内容が明白であること、②事前救済の必要性が顕著であること、③他に救済手段が存在しないこと
重度身障者在宅投票制度廃止後復活を怠った
不作為の違憲国家賠償請求事件
国会議員は、立法に関しては、原則として、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないというべきであって、国会議員の立法行為(立法不作為を含む。)は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受けない
つまりは、厳しいということに
上記①ー③に加え
相当の期間の経過の要件が存する場合には、立法不作為の違憲審査が認められることもありうる、と解するのが妥当であろう(ただし、社会権の場合は広汎な立法裁量が認められるので、立法不作為の憲法訴訟が成立することは、ほとんどあり得ない)。
改めて、学ぶと厳しいということがわかる・・・だが↓
相当の期間の経過を理由に立法不作為の違憲を認めた判決
在外日本国民選挙権訴訟判決
権利行使の機会を確保するために所用の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合
という規範定立とともに、当該案件について、これに該当することまで認めたという
選挙権がテーマになっている
少しページをめくると
第13章 社会権
社会権については、
日本国憲法は、生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)、勤労の権利(27条)、労働基本権(28条)という社会権を保障している。
という一文から始まる
教育を受ける権利・・・社会権・・・広汎な立法裁量・・・立法不作為の憲法訴訟成立、ありえない・・・ずずーん
今月も国賠期日が目白押し
いろいろ学んでいきたい!!
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