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takayuki365
日弁連六十年 を手に取って
日弁連60年記念誌が国会でも話題になっている。
中身は↑から確認が可能。
#連れ去り天国 に関する言及があるというのだ。
275p以降に、第2章人権課題の取組み のひとつとして、九家事事件と人権 (二)家事事件における子どもの権利 が掲げられている。
1 両親の離婚に伴う子どもの権利 に続く 2 子の奪取 の項目がある。
離婚紛争に伴い、親の一方が別居にあたって子を一方的に連れ去ったり、別居している非監護親が子を連れ去ったりするなどの事態がしばしば生ずる。本来、子の監護をめぐる紛争は協議によって解決するか、協議が整わないときは家庭裁判所の手続によって解決すべきものであり、そのような手続を経ないで子を一方的に連れ去るのは違法である。しかし、わが国では、このような違法な連れ去りがあったとしても、現状を重視する実務のもとで、違法行為がまったく問題とされないどころか、違法に連れ去った者が親権者の決定において有利な立場に立つのが一般である。
・・・ハーグ条約・・・これは、共同監護権者の一人の監護権を侵害する子の連れ去りは不法なものであるとされ、このような不法は子の連れ去りが発生した場合の迅速な返還の手続を定めている。わが国は、・・・子の連れ去り天国であるとの国際的非難を受けているのみならず、他国の裁判所では、わが国がこの条約を批准していないことを理由に、日本国籍の親を監護権者に指定するのは相当でないとの判断もなされている。
ハーグ条約批准前の状況であるが、今も根本的には解決していないのであろう。
谷英樹弁護士が執筆を担当していた。
上記サイトよりPDFで内容を誰でも確認できるが、今回、弁護士会の図書室で、記念誌の書籍を手にとることができた。
2009年3月1日付発行されている。日弁連会長は宮﨑誠弁護士である。この記念誌刊行にあたっては、日弁連創立六〇周年記念行事実行委員会委員長平山正剛弁護士もメッセージを寄せている。五〇年史も刊行されているから、その後の10年を振り返り、「日弁連にとっては歴史上比類のない改革の時代であり、この司法改革の波が弁護士にどのような影響を与え、それに対して日弁連はどのような役割を果たしてきたのか、・・・次の時代の司法を考える一助」として刊行されたことがわかる。
あとがきには、日弁連創立六〇周年記念行事実行委員会記念誌部会長大川真郎弁護士が寄せている。
・・・本記念誌は、「司法改革と日弁連」を特集して、今次の司法改革全体を概観し、その詳しい内容は各論として個別課題ごとに記述しました。執筆にあたっては、できるだけ執筆者の主観的評価を排し、客観的事実を述べるよう心がけております。・・・それぞれの領域の第一線で活躍しておられる八〇名の執筆者による本記念誌・・・
上記、子どもの権利に関しても、第一線で活躍しておられる弁護士が担当し、主観的評価を排した客観的事実が述べられているものということが判明した。
まず、日弁連に所属する弁護士が全員知っておきたい。
そのためには、各当事者が、弁護士に働きかけることも意味のある取り組みになるだろう。
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