なぜ文化興行の完全復活が遅いのか
タカラジェンヌの感染報告が相次いでいる。このような事態になると、公演は中止。
一人でも感染が確認された場合は強制的に全てシャットダウンになってしまう。さもなくば、音もなく演者・スタッフの全員に感染が拡大する可能性もあるからだ。
ここに文化興行を再開する難しさがあるのではないか。
全員に感染可能性があるってことは、疑いのある人・ない人も含めて、スタッフ・演者のほぼ全員に検査を行う必要が出てくる。
それは、一刻も早く検査を受けたい、受けるべき市井の人々の優先順位が下がっていくことにほかならない。検査能力には限界があるから。
文化興行が思い切った再開に踏み切れない大きな理由の一つがそれだと思う。マスク無しで人と関わる場面が「一般人」よりも多くなってしまう以上、感染者の濃厚接触者にカウントされる人の数がどうしても増えてくる。
それは、他の検査のリソースを圧迫することにつながりかねない。
個人的な話をすると、ぼくは大学生の演劇がものすごく好きで、それゆえ、彼ら彼女らがなかなか練習すらできていない状況はかなり不憫に思っている。
でも、一歩引いてみてみると、こんなに危ないものもないよな、と。いや、別に感染が起きてしまうことはしょうがないとしても、検査をどうするかっていう意味ではいろんな人に影響があるもんね。
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