初代「仮面ライダー」に登場する悪の組織"ショッカー"の最強怪人と最弱怪人を独断と偏見で考察する。
1971年に放送を開始し、本郷猛=仮面ライダー1号(藤岡弘、)と一文字隼人=仮面ライダー2号(佐々木剛)が活躍した初代・「仮面ライダー」。番組最強/最弱怪人について独断と偏見で語ってみました。
一番好きなのは「初代」。
どうも、昭和から平成まで全部見る系仮面ライダーオタクのコフンねこです。
幼少期には誰もが通る特撮ヒーローの道、僕のようなオタクでなくてもこんな話題で盛り上がったことはあるんじゃないでしょうか。
”一番好きな仮面ライダーは?”
悩ましいよね~~~。
同世代(20歳前後)の方々なら、異色のライダーバトルが繰り広げられた「仮面ライダー龍騎(2002)」や
(リメイクされるみたいですよ)
怪人・オルフェノクと人間の戦いと交流を描いた「仮面ライダー555(2003)」なんかがよく挙がるかな……。
もう少し下の世代なら、親しみやすいコミカル感と意外にシリアスなストーリーで話題を博した「仮面ライダー電王(2007)」が一番好きという方も多いはず。
もちろん現在放送中の「仮面ライダージオウ(2018)」もわすれちゃいけない。過去と未来に展開を広げるアツいストーリーに目が離せなくなってる……。
平成ライダーの俳優はイケメンぞろい。見ている子供だけじゃなくて、親世代にもグッとくるようなライダーが多数。「仮面ライダーエグゼイド(2016)」での怪演が好評を博した岩永徹也=檀黎斗(仮面ライダーゲンム)などはお茶の間に止まらずインターネットでも一躍有名になった。
そんな中、僕が一番好きなのは初代「仮面ライダー(1971)」なんですよ。あの藤岡弘、さんがライダーだったころの話ね。
世界征服を企む悪の秘密結社・ショッカーに自らの肉体を改造され、改造人間となってしまった本郷猛=仮面ライダー1号と一文字隼人=仮面ライダー2号。その強大な力と技をもって、ショッカーの野望に挑む!
時代は高度経済成長期。戦争の記憶も今よりずっと残っている中で展開される、ショッカーの怪しく危険な作戦。それを次々と打ち破る仮面ライダーの姿に、僕の父をはじめとする当時のこどもたちは夢中になったんだ。
初代ライダーの何が好きか、それは単純には語れない。かっこいいのはもちろんのこと、映像技術の未熟さゆえの生身によるリアルなアクション、そしてかなり間抜けな悪の組織。なぜかはまってしまった小学生時代から今までずっと好きだ。
語りつくせぬ思いがあるんですよ……。
悪の組織「ショッカー」のアホさ。
最近のライダー作品やCMにもちょくちょく登場するショッカー。特に「イーッ!」と奇声を上げるショッカーの『戦闘員』の姿は広く知られている。
映像が昭和クオリティなのは百歩譲って良いとしても、ショッカーの怪人たちってかなり間抜けなんです。
せっかく考え抜いた○○破壊作戦みたいなのが仮面ライダーの手によって失敗に終わるのは日常茶飯事。作戦を忠実に実行するのはまだいいほうで、いつのまにか使命を忘れて仮面ライダーの抹殺に没頭しだすヤツも多い。間違って味方を攻撃したり、自分の弱点をあっさりバラしてしまったり、もうとにかくカオス。
お前らマジで世界征服狙ってんのか!?っていうレベルでガバガバだから、コスプレ大会にしか見えないこともある。
もちろん人を何人も殺したり(またはそのような計画を作ったり)、電気システムの崩壊をもくろんだり、そもそも有能な人物を連れ去っては改造人間=怪人にしているわけだから悪い組織なのは間違いないんだけど……。
(ショッカー首領。コイツもなんか結局弱かったなぁ……。)
最強怪人と最弱怪人を紹介したいのにそもそも組織が弱いんじゃ話になんねーよ……。
ショッカー最強怪人は誰だ!?
そんなショッカーの「最強怪人」については幾度となく議論がなされている。
話の面白さと盛り上がりを考えれば92話〜94話の「ショッカーライダー」も最強だし、
2号ライダーを敗退させた31話の「アリガバリ」もめっちゃ強い。
80話から始まったゲルショッカー編(ショッカーの強化版だと思ってくれたまえ)で最初に登場した「ガニコウモル」も、1号ライダーを死の淵に追い込んで新組織の途方もない強さを印象づけた。
怪人ではないけど、大幹部・「死神博士」はマジで強かった。というか怖かった。
怖すぎて特撮番組のレギュラーを外された男なんて、他の作品で存在するだろうか?(なお死に際はかなり間抜けであっけない)
そんな中で僕は「モグラング」という怪人を"ショッカー最強の怪人"に挙げようと思います。
ね、強そうでしょ?
「石油コンビナートを破壊し東京を丸焼きにする」という超パワー系の作戦を担うモグラング。
フォルムからはまったく想像できないけれど、目は360度見えるし、意外と従順で作戦遂行能力も高い。
そして特筆すべきはその「硬さ」です。
どのくらい硬いかと言うと、モグラングには刃物すら通りません。とにかく硬い。
硬すぎて仮面ライダーの攻撃も一切効果なし……。
必殺技であるハズのライダーキックすら跳ね返してしまうモグラングに、2号ライダーはタジタジだった。キックが通じない敵はモグラング以前にも以降にも出てきたけど、その都度新技で乗り越えられたんだもん。防御力が高すぎて一切の攻撃が通用しない、まさに最強だ……!
"防御ほど最大の攻撃"
モグラングはそこに立っているだけで仮面ライダーに勝つことができるのだ。
無論弱点はあって、モグラングはモグラであるゆえに太陽が苦手(実際モグラはそこまで太陽に弱くないけど)。
よりによって屋外部分が多いコンビナートをモグラングに狙わせるのは失策だと思いきや、そんな不利な条件下でもモグラングは強かった。もう無理です。正攻法じゃ勝てません。
みなさんだって「そんな怪人どうやって倒したらいいの?」と疑問を抱くのではないでしょうか。
倒せないなら封印しちゃえばいいじゃない!?
我らが仮面ライダーの答えはコレでした。仮面ライダーによってセメント工場に誘き寄せられたモグラングは、そのままライダーの手によってセメントの中に落とされて絶命……。
正義の味方によるヤクザみたいなトドメの刺し方に当時の子供たちもドン引きしたに違いない。最強の怪人もセメントには勝てなかったわけだ。多分セメントのほうがショッカーよりもずっと強いんだろうと思いました。
余談ですが、初代から現在のジオウに至るまで一切の攻撃が通じない怪人なんてのはモグラングだけ(コフンねこ調べ)。
(仮面ライダー側ならエグゼイドのムテキゲーマーには一切の攻撃が効かない。エグゼイドは正義の味方でよかった……)
ショッカー最弱怪人は誰だ!?
弱い怪人ってのは多い。もちろん一番弱いショッカー構成員は「イーッ!」と叫ぶあの全身黒タイツの「戦闘員」。それ以外にも沢山いるんですよ。
隠れ雑魚怪人の最たる例が「ヒルカメレオン」。ヒルとカメレオンの合成怪人であるヒルカメレオンは、ゲルショッカーの大幹部=ブラック将軍の正体にあたるそりゃもう能力の高い怪人……のはずでした。
しかし1号2号のダブルライダーの前にはほとんど歯が立たず、風景に同化して身を隠していたところを「ライダーダブルチョップ」なる大して見栄えもしない技で倒されちゃった。記念すべき最後の怪人(98話)なのに。
序盤では9話10話の「コブラ男」が弱かったかな。一度ライダーに倒され復活するも、自分に命令を下していたショッカー指揮官の女性・綾小路を誤って傷つけてしまったコブラ男。
しかし自分一人ではなにもできずあっけなく死んだ……。
そう、「一度死んだはずの怪人が復活する(=再生怪人)と弱くなる」という”再生怪人の法則”を最初に印象付けたのはコブラ男でした。あのモグラングでさえ再生怪人になったら弱かったし。映画では普通に攻撃されてたもんね。
本題に移りましょう、最弱怪人の話です。ここまで話した怪人も弱いけど、群を抜いて弱いのは……
ショッカー怪人「シードラゴン」(76話)です。
実はこいつら、それぞれ特徴の違う「シードラゴン1世」「シードラゴン2世」「シードラゴン3世」の3体もいるの。
『怪獣の卵』という謎のおもちゃに化けて子どもの寝室から出現した3体のシードラゴン。高圧の電気で人を跡形もなく消すことができるというとんでもない能力を持っているヤバイ奴として登場したのですが……。
「量産型怪人」として当時のショッカー大幹部・地獄大使も大いに期待していたはず……。
コイツらマジで弱い。
まず鳴き声が弱っちい。怪人は不気味な雄たけびを上げるのものだけれど、シードラゴン1世は「イーチ!」、2世は「ニー!」、3世は「サーン!」。ただの自己紹介なのよ。
(Ⅰ世)
3体いるんだからまとめてかかってくればそりゃ仮面ライダーだって苦戦しただろうに、コイツらはそれぞれ別々に戦いを挑むの。ご丁寧に1世2世3世の順番通りに。
(Ⅱ世)
通常仮面ライダーは1話(or2話)で1体の怪人を倒すのものだから、シードラゴン1体を倒すのにライダーがかけた時間は通常の怪人のおよそ3分の1ということになる。量産型ゆえ、通常の怪人の3分の1程度にしか強くなかったようだね。
(Ⅲ世)
死因もなかなかにひどい。3世は1号ライダーの「ライダーパンチ」でまともに死ぬ(まともに死ぬってなんだよ)が、1世は高い建物から転落死、2世にいたっては「ライダーが電気ドリルで全身に穴を開けたことにより全身から泡を吹きだして死亡」というショッカー怪人史上有数の無残な死に方をした。ここでもヤクザみたいなことしてるわれらのライダー。
(この状況から電気ドリルでまさかの敗戦をするⅡ世)
最強怪人はいろいろ議論されてるけど、最弱怪人はほぼ満場一致でシードラゴンになりそう。そのくらい弱いし、弱すぎて強烈な印象を残したってことです。
まとめ:初代「仮面ライダー」にはネタが満載!
初代「仮面ライダー」は現在東映公式YouTubeチャンネルで2話ずつ無料配信中(もうすぐ最終回)。
現在(2019/03/17)配信中の95話に登場した「ガラオックス」ってヤツも面白かった。
(顔デカい。)
乗り物などの密室に彼が「悪魔の霧」と呼ばれるガスを噴射すると、その乗り物はたちまち宙に浮き……。それを再び地面に落っことしてしまうことで日本の交通機関の大混乱及び大量殺人を狙ったガラオックス。
しかし「密室でしかガスの効果がない」という弱点をライダーに見抜かれ、荒野におびき出されてしまった。
そんなガラオックスはこう叫ぶ。
「俺様のもう一つの力を見せてやる!」
こう言われてライダーも一瞬怯んだはずだ。いったい”もう一つの力”とは……?
「つのえぐりだ~っ!!」
え、なにそれ?めっちゃダサいじゃん。
ライダーも反応に困って「オ゛ウ」とかトドの鳴き声みたいな声出してるし。
結局ものの数秒で自慢の両角をライダーにぶった切られ、「ライダー月面キック」であっさり絶命。ゲラゲラ笑ってしまった。
まともな話もあるにはあるんですが、大概こんなもんです。かっこいいのはもちろんのことツッコミどころも多い。
真剣に見ると各話大体1人は死んでるし、雰囲気的に怖い描写もあったりしてすごくゾクゾクすることもあるんだけど……。
粗探しばかりしてても面白くない。また、子供向け番組であるがゆえに多分真剣に見るのも間違っているとは思うので、各人のやり方で初代「仮面ライダー」を楽しんでいただけたらうれしいな。
あ、最強は「モグラング(28話)」で最弱は「シードラゴン(76話)」でした。
長くなってごめんなさい"(-""-)"