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4:3 ≒ 怖さ_悪魔と夜ふかし

ちょっと昔っぽいのがトレンドになりつつあるわよね。最近。
家具の有名ブランドは昔のアーカイブみたいな新作出したり、カーメーカーも昔のスーパーカーみたいなコンセプト出したり。
特にアメリカの60〜70年代を意識したようなデザインを見かけるようになった。

トレンドは一周してくるとか、大量生産大量消費に対する布石であるとか、このご時世よかった時代に戻りたいとか、アナログ回帰とか色々理由はあるんだろうけど。

まさか映画でもそれを感じるとは。
舞台となる70年代のテレビショーセット、暖色のレインボー、カール、もみあげ、とか。

特にこの作品においては「昔は怖かった」っていう子供の頃の「恐怖」を思い出させる良い作品だった。
未知なる先端技術も怖いけど
子供の頃って無知による恐怖がたくさんあったよな。

地面に埋め込まれている「ガス」っていう謎のボタン
黒いナンバープレート
公園のトイレ
ビニール袋を大量に持ってるおじさん
道端に落ちている雑誌
夜中に聞こえるモーターの音
夜空に光るラブホのネオン

今ならなんとも思わない些細なことに恐怖を感じた
特に子供の頃の恐怖にはテレビにまつわることが多い。

カラーバーと音
ニュース速報
たけしの挑戦状のゲームオーバー
ファミコンのバグ
しばらくお待ちください
放送終了のアニメ
東京コミックショー
西川のりおのオバQ

鮮明じゃないことが怖い
本質が見えないから怖い
を当時は感じていたのかもしれない。それを思い出すような作品だった・。

終盤に取り憑かれの最終形態になったリリーのビジュアルはまさに鮮明でなく本質が見えない感じが恐ろしさを増してゾクゾクしたし
あくまでモキュメンタリーだから司会のジャックがやばい組織と絡んでたのか奥様との本当の関係とか真相も分からない。その不鮮明さもよかった。

胡散臭い演出ありきで進む番組に胡散臭い出演者たち、リアルとノンフィクションの差が曖昧だからこそ観る側もどう線引きしたらいいのか分からない。そこの恐怖、視覚的にも恐怖。

昔に恐怖を感じていた人には是非観てほしい作品。

CM中の舞台裏を含めて恐怖が増すし、結局なんだったんだよ!?っていう恐ろしさもありながら実にシンプルストレートな恐怖描写がすごくよかったのです。

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