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夫の推しとホッケ_マッドマックス

=マッドマックスの事も書いてあるけど大半夫の推しとホッケについて記述しています。マッドマックスの感想は中盤に書いてあるので気になる方はレッツスクロール!カモン!=


憂鬱な気分で映画館に向かっていた。

バーのマスターが言っていた


マッドマックスは一作目しか認めない。


マッドマックスシリーズはデスロードの時に全て観たことはあったけど一作目のことはすっかり忘れ切っていた。
たまたま午前10時の映画祭のラインナップになっていたので観ることに。


憂鬱なのはそのせいじゃない。夫の「推し」についてだ。

夫と知り合って10年以上。
その間、必ず夫には「推し」がいる。現在3人目。
元アイドルの現在の推しは今までの推しと比べ露出が多い。
特に「ラジオ」でのエンカウント率が高い。
(これで誰か分かってしまうかもしれないが控えておく)

今までの推し、一人目はバンドのボーカル、二人目は地方アナだった。
そのバンドの曲は好きだったし、地方アナも好きだった。3人目の彼女も知性があり、物知りだし、人当たりは相手によって違いを感じるけど裏表がなさそうで好感が持てる。
夫の推しには一貫性がある。
夫に言ったら怒るだろうなと思う40代女性から見た「共通点」もある。

私には絶対的な推しがいないし、羨ましく思いつつ
肯定も否定もせず見守っている。

が、

エンカウント率が高すぎるんよ。

家で珍しい番組見てるなと思ったらゲストに推しだし、普段見ない情報番組見てると思ったら推しが出てる。


特にラジオがしんどい。夫の車で移動中は98%推しのラジオなんだが、そうなると車中で夫に声掛けづらい。
私が夫だったら、好きなラジオ聞いている時はラジオに集中したい。だから私は一人の時にラジオを聞くんだけど、夫はそういう感じじゃないみたい。でも遠慮してしまうのよ。
話したいことがあれば音楽が流れている時すれば良いかと思っていたら夫は音楽飛ばすし(ラジコで聞いているため)


先日、夫の車に乗ってエンジンかけて間も無く、推しの番組のオープニングが流れた時、軽く発狂しかけた。頭がフワアッッッッってなった。


が、すぐ自分を落ち着かせた。
推しが嫌いな訳じゃない。ラジオも好きだ。ラジオって好きなコンテンツだし知らなかった事も知らなかった曲も知れる。


だったらANN聞きたい、社会の窓聞きたい、音楽の黄金時代聞きたい、生活は踊る聞きたい、ゴールデンラジオ聞きたい、日曜天国聞きたい、色々聞きたい、リアルタイムで聞けるの聞きたい。「今」の道路交通情報聞きたい。

「もうてめえの推しにはうんざりじゃ!!!!!!」
と言えたら簡単。
でも私の感情は夫にも夫の推しにも申し訳ないと思う。
自分の「好き」を否定されるって嫌だよね。
これを言って妙に私と推しの距離をとられても嫌だし。
どうにかこの私の感情を避けるにはどうしたら良いんだろう。

と、もやもやしながらマッドマックスを観はじめる。

___

観始めると、ああ!そうだったそうだった!の連続だった。
そうそう、マックス妻子がいたのよね、そうそう奥さんサックス吹くのよ。結構良い家住んでんのよ。


まだ街もあり、緑もあり、人々の生活もあり、その環境下で「頭のネジ吹っ飛んだ悪い奴ら」と戦うマックスたち。
これは1作目なんだが、すでにもうその世界観の先に2作目以降が見えてる感じで。

所々、デスロードやフュリオサを彷彿とさせるシーンがあり(真のマッドマックスファンであればデスロードやフュリオサに彷彿とさせるシーンがあると感じるのだ)、おおおと感心の連続。

トーカッターの「カーーッッッッ」って所(トーカッターはデスロードでイモータンを演じている)だったり
高跳び棒部隊っぽいのが出てきたり、腕がぶら下がってるとことか
探し始めたらキリがないくらい一作目から継承されたシーンがあって
こういうところが熱狂的なファンが多い理由の一つだよなあと感じる。


1979年公開な分、アクションシーン、カーアクションは「人力」感が凄いんだけど「こ、これは大丈夫だったの!?」と心配になるくらいスレスレでやってる感があって、ライダーが川に落ちるシーンなんか水飛沫で虹が出来ているんだけど「これは虹の橋のメタファー!?」とか思っちゃう。(全然違います、意味合いも)
CGや撮影技術の向上での素晴らしい見せ方もあるが、こう言う人力の見せ方も素晴らしい。

私が一番胸熱く観たのはメイおばさん。トーカッター軍団にいち早く銃を向けた人。
もう銃を構える姿が鉄馬の女やミスギティなんだよ。菅井きん似のワンピース着たおばあさんなのに。
あと足を悪くしていて金属製の下肢装具しているのにも関わらず立ち向かうのが良かったなあ。

トーカーッター軍団のナンバー2、マイケミみたいな人も良かったですね。ナンバー2って大体ああいう謎めいてアッサリ死ぬみたいなのが良いです。


ラストだけ、「あれ、こんなソウみたいな終わり方だったっけ!?」でした。

マックスがMADモードになるまでは、4、5作目から観てる人には退屈感があるかもしれないけど、4、5作ではあまり直接的に描かれない愛情とか友情がストレートに描かれ、善悪のシンプルさやカーアクション、そしてMADになったままのマックスがどこかへ行く・・みたいな終わり方もめちゃくちゃイイな!と。
あの終わり方がなければ続かなかったし。

「一作目しか認めないよ!」と言うマスターの気持ちも分からんでもないが
だからこそ4、5作目も肯定的に観てくれ!!!!
って思った。

______

帰り道、また夫の推しのことを思い出し
連休中は夫の車で移動することが多いし、避けられんなあ(推しは帯持ってるし)と軽く絶望していたのだが

あることを思い出した。

若い頃、当時職場の上司だったSさんと居酒屋に行った時
私が大きなホッケの干物を食べているのを見てSさんが
「俺、子供の頃食べすぎてホッケ嫌いなんだよなー」
と言っていた。

まず、なぜ食べてる人を前にして言うことかよ。なのだが
Sさんの実家は港町で、毎日にように食卓に魚が並び、特に干物は朝食に必ず出てきた。当時はなんも考えず食べていたが大人になって、自分の稼ぎで食事をするようになると、急に食べられなくなってしまったらしい。

味も嫌いじゃない、多分食べちゃえば好き。が、今は口にしたくないし匂いも嫌。

似てるかな。
と思った。

私は夫の推しに対して「好感は持っている」けど、多分今彼女に対してのキャパオーバーなんだろうなってことだ。
夫ほどの「好き」ではないから与えられすぎて苦痛になってしまっているのかなと。
多分私に「推し」がいないのはこういう所なのかもしれない。

とりあえず彼女に関してはSさんの「ホッケ」と思うことにしたらちょっとスッキリした。

翌日、夫の車で移動中、珍しく別の番組を聞き出したと思ったらやっぱりゲストが彼女だった。
笑えてしまい、思わず「ホッケ・・」と声が漏れてしまった。

夫は、私が何か言ったようだと気付いていたけど、推しのトークに夢中だ。

正直没にしようか迷った。シンプルな絵にしようとするほど絵の下手さが露呈するからだ。

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