美しいことこの上なし_花様年華
9月中旬から1週間程度仕事で海外に行っていた。
話が私におりてきたのは4月頃。
私が日程やら旅行会社のやりとりやら人選まで決める事になっていたんだけど、人選の部分は結局上の人たちのゴタゴタで二転三転し、同じ会社でも事業部や部署で稟議やら決裁までの手順が違ってまたゴタゴタ。
直前で面子の1人に謎の滞在先に入国できるか微妙フラグが立って(お前、前回滞在時何やらかしてんだよ・・)って言葉を飲み込んでまたゴタゴタ。
向こうでお客さんと会うとかそういう出張じゃないのでゴタゴタできる分ゴタゴタさせたいのかこら。
海外出張は4度目だけど、こんなにゴタゴタしたの初めて。
もうこのゴタゴタで行きたくなくなっていた。
そんな状況だし、国内での仕事も海外滞在期間に大事なフェーズが急に決まったり取引先のポカミスのフォロー、それを上司に引き継ぐ準備なんかしてたらいつの間にか時間が経っていて、結局同行する面子の顔合わせや事前のミーティングは出発まで2回(内web1回)しか出来なかった。
出発直前の週末、絶対に観たい映画があった。
花様年華 である。
午前10時の映画祭、様様、です。
お気に入りのバーには奥様のお気に入り、ウォンカーウァイ作品のポスターがいくつか貼ってある。花様年華は絶対に観た方がいいと勧められていたから絶対観たかった。
帰国後にはもう上映が終わっているので行くしかなかった。
全然荷造り出来ていないけど早起きして映画館へGO。
ウォンカーウァイ監督作品といえば、オシャレカラー、オシャレ画角、金城武。
日本映画もその頃ウォンカーウァイに影響されたっぽいオサレ映画多かった気がする。
ただね、ウォンカーウァイぽい映画はウォンカーウァイしか撮れないんですよ。
これは今回花様年華を観て再認識。
めちゃくちゃウォンカーウァイって書いてるな。
それくらい監督色が濃い。ウォンカーウァイ。
ストーリーは至ってシンプルで、お隣さん同士の夫婦が不倫しているサレ側の話。
サレ側同士、心通わせていくのですが
「こっちだってやってやらああ!!!」
とはならない。
観てると、なっても良いと思っちゃうんですよ。背中、押そうか?ってなる。
ハリウッド映画ならいっちゃうよね。
多分現実世界でもこっちが圧倒的多数派だと思うシチュエーション。
一つ一つのシーンが絵画のようで見入ってしまう。見惚れてしまう。
・・っていうとなんか語彙力に欠けた感じがする
その「絵画みたい」っていうのは私の浅い映画知識の中だとウォンカーウァイ監督と市川崑監督って近いところにいて
同じ「絵画みたい」なんだけどウェスアンダーソン監督とは違う。
なんでしょね、「意味深な絵画」ぽさ。
ただキレイじゃなく、なんか意味深なんですよ。
おそらく映画に物凄い知識と教養がある方だったら色々説明できるんだろうけど
私の場合
んんっもうもどかしい!!!ああもどかしい!!!!
もうそこが美しい!!!美しい!!!
ってなっちゃう。
赤、雨、横顔、階段
これだけで花様年華が走馬灯のように私の脳裏をぐるぐるする。
マギーチャンの美しい横顔、アイライン、衣装の美しさ
そこが意志の強さを感じるし儚さも感じてしまう
シタ側の詳細が映らない事やワンシーンで時間の経過を描く部分、同じ場所のシーンが同じ画角で何度もあるところ、観る側を惑わせるようなアップだったり、監督の定番の手法ではあるのだけど花様年華は全てピッタリとマッチしているような気がして。
最後の最後まですれ違う感じもまた良かった。
いいもの観させてもらいましたわ・・・・・。
今まで観た午前10時の映画祭の中で一番男女幅広い世代が観ているような気がした。
で、トニーレオンよ・・・かっこいい。
ほんとかっこいいよ。クチャラーでも、炊飯器抱えて佇んでいても、カッコいんだよ。
なのになーーーーーーんでかガレッジセールのゴリが脳裏に浮かんじゃうんだ。
※ガレッジセールのゴリさんもカッコいい人なんだよね。ゴリ夢中を見てるとよりそう思う。花様年華のトニーレオンみたいなヘアースタイルの時期もあるし。