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【校閲ダヨリ】 vol.47 出版業界でよく使われる言葉 その2




みなさまおつかれさまです。
ついこの間まで「暑い暑い」と思っていましたが、にわかに肌寒くなりましたね。(「肌寒い」は秋の季語です)
急な気温の変化に、体調を崩されていらっしゃる方もいるかもしれません。ご自愛ください。


さて、前回はどちらかというと本の外側の専門用語をお伝えしましたが、今回は内側の用語をご紹介したいと思います。
想定される使用場面は、誰かに「修正依頼」するときや、「ここをこうしたほうがいい」とアドバイスするときが主になるかと思います。




1.中面(なかめん)
読者が、メインに読むページ。表1-4の「表まわり」に対して用いられたり、「付録」に対して用いられたりする。
例:「中面の校了はいつですか?」「付録では●●で統一されていましたが、中面では○○となっています」
   
   
2.台割(だいわり)
一冊の本の企画概要が記された設計図のようなもの。奇数ページと偶数ページを入れ替えたりするときには注意が必要。
例:「目次は台割と引き合せてチェックしてください」「台割を更新したら都度共有してくれないと困ります」
   
   

用語説明2

3.扉(とびら)
書籍では各章に入る前、雑誌では大型企画に入る前に設定されることが多い導入ページのこと。第1特集の扉は「大扉(おおとびら)」と呼ばれたりもする。
例:「はイラストメインでいきます」「にノンブルは入れないでください」
   
   

用語説明3

4.見開き(みひらき)
P002-P003のように、2ページが見渡せる状態の誌面のこと。基本的には、見開き状態でレイアウトを考えていく。
例:「今日はあと3見開きで作業終了です」
   
   
5.ノンブル
ページ番号のこと。「number」のフランス語「nombre」が由来。
例:「企画名で言われてもわからないからノンブルで言って」「台割に合わせてノンブル修正おねがいします」
   
   
6.ショルダー
見開き誌面の、右上左上に入ることが多いあしらい。見開きを人体に見立てたときに、肩(ショルダー)に位置することから。
例:「校正で見逃しやすいのが、ショルダー部の誤植です」
   
   
7.柱(はしら)
書籍では章題が、雑誌では誌名・号数や月名が入ることが多い、一冊を通してページに入る文言のこと。
例:「部分の月名が前号と同じになっているので、通して修正をお願いします」
   
   

用語説明

8.見出し(みだし)
内容を端的に表した短文のこと。企画の冒頭に大きく入るものは「大見出し(おおみだし)」、本文の頭にくるものは「小見出し(こみだし)」と呼ばれたりする。
例:「見出し、文字数多すぎて入らないので削ってください」「目次テキストは、各見出しに揃えてよいですか?」
   
   
9.リード
導入文のこと。扉ページや、見出しの近くに挿入されることが多い。
例:「リードの字ヅメ、気をつけてね」「リードテキスト、後送でお願いします」
   
   
10.本文(ほんもん/ほんぶん)
読者が、主に読む文章のこと。業界を通しては「ほんもん」と呼ぶ人が多い傾向。
例:「本文、14×20ワードでお願いします」
   
   
11.キャッチ
企画を印象づけるような短文。キャッチコピー
例:「ここにキャッチを入れたいです」「手書きキャッチに誤字があるのでリライトお願いします」
   
   
12.キャプション
写真に付属する紹介文のこと。単に「キャプ」とも呼ばれる。
例:「キャプション、左右逆です。要入れ替え」「キャプションのワード数を教えてください」
   
   
13.グラビア(グラビアページ)
もともとは、「グラビア印刷」という印刷方式のひとつ。色の濃淡がよく表現できたので、写真ページの印刷に用いられた。転じて、「写真メインのページ」の意味で用いられる。風景写真でも、グラビアでよい
例:「大扉は高田馬場『●●』のステーキのグラビアで」
   
   
   
いかがでしょうか。
なかなか、それっぽいですよね。
現場では、例で書いたような言葉が飛び交っています。
制作側とやりとりする仕事をされている方や部署異動でやりとりの必要性が生じてしまった方には参考になるのではないかと思いますし、趣味で本を制作される方やこれから出版業界を志す方にも、使える情報があるのではないかと思います。
   
次回は、もう少し深いところをご紹介する予定です。
いましばらく、おつき合いのほどよろしくお願いいたします。
   
   
それでは、また次回。
   
   

※今回は、説明用にレイアウトを用意する必要があり、かれこれ7年の付き合いになるデザイナーに頼み込み、実際に制作をしていただきました。せっかくの誌面をダミーテキストにしておく手はないということで、校閲ダヨリ仕様のテキストを入れています。
実際にお読みいただくことができます(一部新規書き下ろし)ので、もしよろしければご覧いただければとても嬉しいです。



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