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大変だった😰。日本語発音指導者として渡仏後二年の振り返り。

2022年4月30日に、何も分からないままパリに来てからちょうど丸2年になります。
渡仏してすぐに、大規模ストライキにコロナと、困難には事欠かない二年間でした😓。日本では4月は年度初めですが、フランスではこれから年度末です。なので今は、期末試験に向けての準備や、次の学校を選ぶ大切な時期になります。僕は、もう一年フランス語を集中して勉強しようと思っています。いや、本当にフランス語って難しい😓。

さて、そう言う時期なので、僕も国語と日本語の生徒さんを新規に募集しようと思って、大幅にホームページを作り直しました。

パリに来る前と今では、かなり考え方が変わったので、そのあたりを反映しています。よかったら覗いてみてください。

https://isogaimethod-paris.amebaownd.com

それで、なぜ考えが変わったのかと言うと、実際にパリの日仏ハーフの子供たちに教えるようになって、こちらで実際に困っていることが明確になってきたからです。

考え方が変わった結果として、僕は今は発音だけではなくて、国語の家庭教師もやっているんですが、保護者の方が望まれるので、日本の子供達と同じ国語の教科書を使って指導しています。ただ、こちらで育った子供たちには難し過ぎるという問題があります。それは当たり前で、僕が小学生の時は毎週5時間、国語の授業がありましたが、パリの日本語塾で授業数がそんなに取れるわけではありませんし、そもそも日本語を使うシーンが限定的なので、国語力がネイティブな子供達と同じように身につくはずはないんです。
それでも、親であれば自分が読めば簡単に理解できる教科書を、子供たちにも理解できるようになって欲しいと思うのは当たり前のことですよね。それで、日本語の知識が足りないからと、詰め込もうとするんですが、今度は子供たちのやる気がなくなってしまいます。なかなか、親の思うように子供たちは成長してくれないものなんですね。

僕も最初は教科書に沿って、普通に授業を進めようとしたんですが、なかなか思うような成果が上がらなかったんです。なぜ難しかったのかと言うと、こちらの子供たちは日本の子供たちとはかなり異なった言語力を身に付けているからです。

例えば、僕の所に来た小学校低学年の生徒の場合、ひらがなやカタカナの文字と発音が一致していなくて、ほとんど朗読ができないんです。
そうかと思うと、アニメの「ナルト」を日本語で見るのが大好きで、しかも、かなり深いところまで物語を理解しています。
どうも、こちらの子供は、物語や文章の読解力の発達が遅れているわけじゃなくて、ひらがなの発音などの、日本で育った子供なら特に苦労せずに身につけることができた、基礎とも言えないような当たり前の言語力が固まっていないようなんです。

そこで、家庭教師先のお母さんを説得して、漢字を教えることを一旦やめました。もちろん教科書は進めるんですが、かなりの時間をひらがなとカタカナに当てるようにしました。すると、三ヶ月もすると見違えるように、朗読がスムーズになったんです。

なぜスムーズに発音できるようになったのかと言うと、当たり前ですが、ひらがなを見てから発音に至るまでの速度が、多分100倍くらい早くなったからです。
文字見た瞬間に、何の苦労もなく発音できるので、文章の理解もスムーズに行えるようになりました。
逆にどうして、これを他の教師はしないのか不思議に思うのですが、グループレッスンでは生徒の能力がさまざまなので、こういう基礎訓練ばかりやっているわけにもいかないのだろうなと、思ったりもします。

僕は、日本語の芸術に触れてきたので、基礎こそ能力を伸ばすために絶対に必要だと言う信念を持っています。それに、一文字を正確に読むという訓練は、僕が日本で、日本人の大人に教えていたことと共通しています。
日仏ハーフの子供への教え方について、最初は少し戸惑いましたが、これまでの言語指導者(磯貝メソッド講師)として積んだ経験が、ハッキリと活かせた事に自信を深めることができました。

この2年の間、特にコロナのためにやれる事は限られていましたが、その分深く考える時間がありました。
これからの暖かくなるシーズンでは、もう少し活動が自由にできるはずです。次のステップに進むためにも、ここパリで少しでも多くの人に、日本語の発音や物語に楽しく触れてもらえる機会を作って行けたらと思っています。

不定期の更新ではありますが、引き続き応援よろしくお願いいたします。

蔭山佑次

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