どうせすぐ死ぬのにな
宗教というのは大きな視点を持つ。
だからこそ人に行き先を示すことができる。
忙しい、日々の目先の現実しか見えない時には、人は混乱して無気力になる。だからたまには遠い場所を見て、行くべき場所を思い出す必要がある。
宗教というのは大きくて、その中で人は小さい。
私は特に、死を基準にする宗教家だから、そういうことを思う。
「この人たちはどうせすぐ死ぬのに、なんでこんなに頑張っているんだろうな。」
年収がどうとか、役職がどうとか、社会の常識が身に付いているとかいないとか。
そんなことしても、どうせすぐ死ぬのにな。
この世界で、できることを喜べばいいのに。歩けたり、トイレを流せたり、動物の毛に触れられたり、そんなことを喜んで生きなよ。
どうせすぐ、できなくなる。
頑張る必要はないな。「楽しい」がどれだけ増えるかどうか。
それだって、節制はいるよ。楽しいばっかりってこともないな。
あるものを楽しまないと。
ないものに追い立てられて生きて、死んでいくのは美しくもないな。