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『道行再考』公演(@伊丹アイホール)取り急ぎ報告まで

 演劇プロジェクト『道行再考』が、1年の講座のあと、通算4年かけて2023年4月29日をもって完遂しました。150人のお客さんに見てもらえました。達成感やら何やら、まだほわほわと余韻に包まれています。

 作品・公演については、古典を通じて知り合ったライターさんが東京から来て観劇レポートを書いてくれたので、こちらをお読みいただければ。

 道行再考プロジェクトは5つの短編が1つになったオムニバス作品です。講座の中で書き手に選ばれた5人は全員女性でした。講師であった木ノ下裕一さんが見に来てくれて、「やさしいてざわり」だったと感想を述べてくれた。女性が書いた物語であることは偶然ではないと思う。

 偶然と言えば不思議な偶然がいくつかあった。2019年、公演中止となり急遽、通しリハをやって講座終了というその日は私の息子の誕生日だった。木ノ下さんが「髙本さんに書いてほしい」と与えてくださったお題は俊徳丸だった。説教節のしんとく丸の姿に歳の近い息子を自然に重ねていた。俊徳は13歳という設定で、その年、息子も13歳になった。
 そもそも、講座との出逢いも偶然だ。ふりかえって「なぜ出逢えたんだろう?」と思う。木ノ下さんとも。
 もうアラフィフだなというタイミングで、好きだった古典を勉強し直したいと思うようになった。人生のどこでそんな時間が取れるだろうか?まだ先だろうか?とぼんやり思い始めた。その矢先である。伊丹アイホール講座の案内とチラシを見たのは。
 好きな演劇と古典の組み合わせ!その手があったか!やりたくてずっとできなかった文章創作もできるんじゃないか?興奮した。ぜったい申し込もうと思った。木ノ下さんのことはその時はじめて知った。講座は1年間40回。濃かった。歌舞伎、能、文楽、リサーチ方法、戯曲執筆、etc. いろんなことを教わった。

  教わったことで一番大事なのは、たぶん、古典への愛だ。深い深い愛。それは尽きない情熱の泉となった。あの1年間で私達受講生が受け取った何かは、まだまだ湧き出る。完結していないように感じる。碇(いかり)を掲げたラストシーンのように、新しい旅、新しい道行がまた見える気がする。そうして、どこまで行くんだろう。古典とつながって、現代につなげて、それを人に伝えたい。という思いで。
 『道行再考』上演はいったん幕を閉じた。たくさんポジティブな感想をいただいています。見に来てくださったみなさん、応援してくれたみなさん、本当にありがとうございました。
 プロジェクトメンバーの1人、戯曲作家の1人として、取り急ぎ、お礼とご報告。


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