辞意表明の川勝平太静岡県知事が渡辺周衆議院議員への後継指名へ動く
静岡県の新職員に対する訓示で職業差別発言をなした川勝平太静岡県知事は、後継指名をすることによって静岡県への影響力を残そうとする政治家というより政治屋ともいえる動きを見せています。
渡辺周衆議院議員は以前ほどではないものの選挙に強く静岡県内での知名度も高い政治家で、野党の国会議員としては国民民主党の榛葉賀津也参議院議員と並ぶ存在であると言えるでしょう。川勝平太静岡県知事の支持基盤が立憲民主党であることから考えると「味方の中で最も強い政治家」であると言えます。そして、同時に川勝平太静岡県知事が後継候補に何らかの選挙上のメリットを与えることによってご自身が退いた後も静岡県に影響力を残しておきたいという政治屋そのものの計算も透けて見えます。
交渉力に欠けていた川勝平太静岡県知事
川勝平太静岡県知事は、県知事就任直後の富士山静岡空港への就航を巡る日本航空との交渉に失敗して日本航空が富士山静岡空港から撤退する結果を招くなど、政治家として最も持ち合わせておかなければならない交渉力に著しく欠ける人物です。そして、リニアを巡るJR東海との交渉においては、静岡県内にリニアの駅が設置されないことは最初から明らかであったわけですから、交換条件として静岡県にいかに便益をもたらすことができるかという条件闘争こそがメインであると言えるわけです。しかしながら、川勝平太静岡県知事の目指す条件であると思われる富士山静岡空港最寄りの新幹線新駅を作る案は、掛川駅からあまりに近く検討すらされないものであることから、交渉力に欠ける川勝平太静岡県知事にとって万策尽きた結果、ご自身がJR東海との交渉で成果として誇られたリニアの開通延期を目指すものとなったと推察することができます。なお、川勝平太静岡県知事のようなワンマン気質のあるトップはズバズバ諫言する部下が必要ですが、李世民に対する魏徴のような存在は静岡県庁や支持基盤である静岡県議会会派ふじのくに県民クラブには存在しなかったようです。