椎野カロリーナさんのミス日本グランプリを祝福することができない自称愛国者たちへ
椎野カロリーナさんの日本に対する思い
ウクライナから帰化した際のカロリーナさんがミス日本グランプリを受賞したことで、容姿が日本人らしい美ではないなどと主に愛国者を自称する者たちから批判がなされています。しかしながら、ミス日本のコンテストの最終選考に残るような方は日頃の振る舞いなどに限らず、代表として選出される国の文化などに対する知識はもちろん、国や文化に対する思いも高いレベルに達していることには目を向けていないようです。そして、椎野カロリーナさんの日本に対する知識や思いは、高森明勅日本文化総合研究所代表も評価するほどのものであったようです。
元々日本列島に居住していた者に加えて帰化人が大陸の文化や技術を持ち込むことで日本民族が作り上げられてきました。ただ、日本の特長的な点は、帰化人や大陸の文化や技術をそのまま受け入れるのではなく、日本的なものへと変えて受け入れてきたことです。植民地時代の宗主国の言語を公用語に加える国が少なくなく、中には宗主国の言語をインテリが使いその他の言語を庶民が使うという国もある中で、歴史上常に超大国であった中国大陸の影響が避けられない地勢的な状況の中で日本的なものが守られてきたのには先人のそのような努力があったわけです。そのような先人の努力は、漢文などとして現在にも受け継がれています。
そうであるならば、日本人になることを望んで日本人として物を考えていこうとしている椎野カロリーナさんが日本人として生きていくことは、日本の伝統に沿うものであると言えます。何より、そんじょそこらの日本人より日本を愛して日本人として生きていきたいと願う者を受け入れずして何が「愛国」だと思います。