平成12年10月16日読売新聞の記事から
読売新聞記事「検事任官に女性差別?」
司法試験に合格した司法修習生が検事に任官される選考過程で、「女性差別があるのでは」という疑惑の声が上がっている。
今年の第53期修習生は789人、うち女性は196人。それが12組に分かれている。ところが女性は一組(67人前後)から一人、多くても二人しか選ばれておらず、「これは憲法の男女平等に違反する差別的な行為」というものだ。修習生の有志で作る「検事任官における『女性枠』を考える修習生の会」=写真=は、このほど法務省にあてて、差別的な扱いの撤廃を求める嘆願書を提出した。
同会の調べでは過去5年間、女性の任官は各組でほぼ一人。53期生の場合も、修習生全体の女性比率は25%なのに、検事任官者の74人中、女性は10人、13.5%にとどまっている。
同会代表の一人で弁護士になった土井香苗さん(25)も、最初は検事を目指していた。しかし、検察出身の担当教官から「女性の任官はクラス一人が原則だから確約できない」と言われ、志望を変えざるを得なかった。ほかにも、「結婚して子供ができると働き続けるのは大変だろう」などと、志望変更を促された人もいた。「男性より成績がいいのに任官されなかった女性もいて、男性の目から見ても変だった」と同会の神原元さん(33)。
同会は今後、ホットラインを設けて証言を証言を集めるほか、国連の女性差別撤廃委員会などに実態を訴えていく構えだ。