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紀藤正樹弁護士が弁護士の存在意義を否定するに等しい「SLAPP」を主張

世界平和統一家庭連合が紀藤正樹弁護士らを名誉毀損による不法行為で民事訴訟を提起

 そうなるであろうと思っていた民事訴訟が提起されることとなりました。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は29日、違法な布教活動や資金集めをしているとの趣旨を情報番組で発言したのは事実に反し名誉毀損(きそん)だとして、TBSと読売テレビの2社と出演者の紀藤正樹弁護士ら3人に計6600万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。
情報番組は読売テレビの「情報ライブ ミヤネ屋」とTBSの「ひるおび」。訴状によると、教団側はミヤネ屋で出演者の紀藤弁護士と本村健太郎弁護士に、ひるおびでは八代英輝弁護士にそれぞれ事実と異なる発言があったと主張している。(共同)

日刊スポーツウェブニュース

 これに対して、紀藤正樹弁護士が次のように述べて世界平和統一連合の提訴を批判しています。

私の発言は統一教会への発言ではなく統一教会の分派に対する発言です。私への訴訟は言論への萎縮効果を狙った恫喝訴訟、SLAPPの類です。自らの正当性を言うなら国を訴えるのが筋でしょう。自らの非を改めず民間を訴えること自体が、統一教会の問題を良く現わしています。>

@masaaki_kito

 民事訴訟を提起された側が「SLAPP訴訟」と提起そのものを批判するのはよく見ますが、弁護士本人が被告となった事案でそのような主張をなすのを見たのは私にとって初めてです。

弁護士が歯を食いしばってでも言ってはならない「SLAPP」という批判

 私は弁護士が歯を食いしばってでも言ってはならない発言があると思います。それは、私の記事で何度も触れた神原元弁護士の常用句である「正義は必ず勝つ」であり、今回紀藤正樹弁護士が反論した「SLAPP」です。
 前者については、弁護士は必ず勝つ事件のみを受任するわけではなく、証拠が散逸して立証が難しい被害者を救済するためにあえて民事訴訟を提起することなどもありますから、訴訟です勝つことがすべてであるような発言をすると依頼者を貶めることになるからですし、後者については、弁護士は依頼人の権利を守るために無理筋の裁判でも提起しなければならない立場であるから、弁護士が提起された民事訴訟に対し「SLAPP」などと批判することは弁護士の存在意義そのものを揺るがせるからです。なお、前者の常用句をしばしば述べる神原元弁護士は、川崎市での街頭宣伝活動が中止に追い込まれたことを不法行為として提起された民事訴訟においても「SLAPP」という批判はしていなかったように思います。かなりトンデモな発言が目立つ神原元弁護士ですが、この点においては紀藤正樹弁護士よりしっかりしていると評価してよさそうです。