川崎市デモ阻止活動損害賠償請求事件判決言渡
作家の安田浩一さん風に記事を書いてみると
判決言渡の日、神原が法廷で述べた言葉は血の混じった叫びだった。しかし、裁判官はその叫びを焼き尽くす判決を言い渡した。法廷に血の焦げる臭いが漂い、その血は上空に舞い上がってにわか雨を降らせた。
記事に不必要な感情や大袈裟な表現を用いることが顕著で、正直読むのが辛い作家の安田浩一さんの文章を真似てみましたがいかがでしょうか。気持ち悪いと感じていただければ幸いです。それでは気持ち悪くないように心がけた記事の続きをご覧ください。
判決言渡期日に意見を述べた神原元弁護士
令和4年5月31日、川崎市で行われたデモを阻止したことが不法行為にあたるとして、故津﨑尚道さん、新妻政人さん、吉井克英さん、渡邉直樹さんが神原元弁護士に賠償を求めて民事訴訟を提起した事件の判決が言い渡されました。
通常の判決言渡期日は、裁判官が主文を朗読して終結するのが一般ですが、この日は被告の神原元弁護士が自ら意見陳述を行いました。神原元弁護士は「私は当時1歳の赤ん坊を抱えて立っていただけのことであります。」とカウンターとは無関係であると強調しました。それに対し、原告側訴訟代理人の江頭節子弁護士は、事前に伝えることなく意見陳述することに異議を述べましたが、嶋末和秀裁判長はその異議を認めることなく神原元弁護士の陳述を認めました。
子どもを連れてデモに行くことは適切なのか
ここで、判決言渡の記事から離れます。私は格闘技観戦、それもプロボクシングの観戦が好きで、その関係で元プロボクサーの方の知り合いもいます。そのうちの一人が全日本新人王決勝戦で後楽園ホールで試合をした地方在住の元プロボクサーの方がいらっしゃいます。その方がおっしゃったことが心に残っています。
「俺は子どもが小さいときにはボクシング観戦に連れて行かない」
そのときには血生臭いものを小さい子どもには見せたくないのだろうとしか考えていませんでしたが、6月1日のFM NACK5「FAV4」で古坂大魔王さんが言語化していました。古坂大魔王さんは次のように述べていました。
「幼児には人を殴ったり蹴ったりすることを勧めたくない。しかし、格闘技はルールに基づいて殴り合いや蹴り合いをしていてその殴り合いや蹴り合いを大人は楽しんでいる。そのようなボディコンタクトのあるスポーツは相手へのリスペクトがなければ成立しない。しかし、格闘技を見ると幼児は怖くて泣いてしまう。それがしっかりわかる年齢になるまで子どもに格闘技を観せないようにしようと思っている」
神原元弁護士は、弁護士の職務として子供の虐待や非行の事案にも従事したことがあると思いますし、そのような職務の中で子どもは大人が思っている以上に物事に関心を持ち、理解しようとしていることをご理解しているはずです。そして、神原元弁護士は、ご自分のお子さんに他人に罵声を飛ばしたり有形力を行使するような大人になってほしくないと思っているはずです。そういう観点から神原元弁護士は罵倒を飛ばしたり有形力を行使する姿を正義のために正しい行動であることをどうお子さんに説明されているのでしょうか。それとも、そんな説明などは必要ないとお考えなのでしょうか。
神原元弁護士のもとに集まった149人の訴訟代理人
人種差別を目的とした不法行為について、損害の程度を大きく判断すべきであるという画期的な判例を言い渡した京都朝鮮第一初級学校街頭宣伝差止め等請求事件では、原告である学校法人京都朝鮮学園に100人の訴訟代理人が就いていて非常に驚いたものですが、今回の事件の被告である神原元弁護士に対しては、それをはるかに上回る149人の弁護士が訴訟代理人となっていました。その訴訟代理人の中には、神原元弁護士が所長を務める武蔵小杉合同法律事務所の宋恵燕弁護士、永田亮弁護士はもちろんのこと、日本弁護士連合会の会長でもあり、のりこえねっと共同代表でもある宇都宮健児弁護士、師岡康子弁護士、京都朝鮮第一初級学校街頭宣伝差止め等請求事件の訴訟代理人でもあった上瀧浩子弁護士及び豊福誠二弁護士に加え、ツイッターでおなじみの太田啓子弁護士、かつて武蔵小杉合同法律事務所に所属し、神原元弁護士の訴訟代理人として小菅信子さんとの民事訴訟に臨み、神原元弁護士の準備書面をはるかに上回る論理的な文章で強い印象を残したほづみ法律事務所の穂積匡史弁護士の名前もありました。
裁判所に懇願した神原元弁護士の陳述書2
判決言渡期日に陳述された神原元弁護士の陳述書2は、神原元弁護士の思いの詰まったものでした。その陳述書2の結びには神原元弁護士の懇願が記載されていました。
神原元弁護士の陳述を完全無視した横浜地方裁判所川崎支部と神原元弁護士の真意をまるで理解しない石橋学神奈川新聞川崎総局編集委員
裁判所に懇願する神原元弁護士の陳述書2もむなしく、横浜地方裁判所川崎支部は次のような判断を述べて神原元弁護士の主張を一掃しました。
そして横浜地方裁判所川崎支部は、不法行為となり得る具体的な行為について例示しています。
神原元弁護士が、反差別活動家たちが不法行為で民事訴訟を提起されて敗訴してしまうという未来を望んでいるはずもありませんから、神原元弁護士は反差別活動家たちのカウンター行為の行き過ぎに警鐘を鳴らしつつ、自らの血のにじむような陳述書2が完全無視された実質敗訴ともいえる判決の口惜しさを噛み殺しながら、それでも「ヘイトデモ」の主催者らの請求棄却を「全面勝訴判決」と述べて気勢を上げざるを得ない複雑な気持ちの中で発表したのが神原元弁護士のコメントであったわけです。
それに対して、大阪市北区堂山町傷害被疑事件及び茅ヶ崎市民文化会館暴行被疑事件の公判を傍聴しているにもかかわらず、ほとんどメモを取っていなかった神奈川新聞川崎総局編集委員の石橋学さんは、神原元弁護士の気持ちを何ら汲み取ることなく的外れのツイートをなしてしまうのです。
当事者の気持ちを汲み取ることもなく、公判ではまともにメモを取らず、神奈川新聞の記事にもなっていないわけですから、石橋学神奈川新聞川崎総局編集委員は横浜地方裁判所に暇つぶしか涼みにきてるといってもよいと思います。本当にマスコミは気楽な商売であると思います。ただ、このように人の気持ちがわからないとしか考えられない石橋学神奈川新聞川崎総局編集委員がヘイトスピーチやヘイトクライムに苦しむ人の気持ちがわかるのかと考えると、無理ではないかと答えるほかないと私は思います。