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不安定そのものの皇位継承へと走りだした岸田文雄内閣

旧宮家末裔の男系男子を皇族とする不安定そのものの皇位継承

 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議は、安定的な皇位継承について、「天皇、皇嗣、悠仁親王がいるからヨシ!」とばかりに皇族数の減少という附帯決議で何も求められていない課題に取り組み、報酬泥棒と批判されてもやむを得ない職務懈怠をなした後にその役目を放棄しましたが、岸田文雄総理大臣の危機意識もこの程度であったようです。

 松野博一官房長官は15日の衆院内閣委員会で、安定的な皇位継承を巡り、旧宮家の男系男子の皇籍復帰の本人の意思確認について「政府として具体的な把握や、接触は行っていない」と明かした。また、今後の対応について「国会での議論を注視しながら、議論の中で適切に対応する」と述べた。立憲民主党の馬淵澄夫氏に対する答弁。
 政府の有識者会議は①女性皇族の婚姻後の皇籍を維持する案②旧宮家の男系男子を養子縁組で皇族とする案――の2案を軸とした皇族確保策をとりまとめている。旧宮家の男系男子の意思確認について、馬淵氏は「制度化されてからでは遅い」とただすと、松野氏は「個人のプライバシーに関わることで、慎重な対応が必要だ」と語るにとどめた。
 また、馬淵氏は、旧宮家の男系男子の養子縁組案は、門地(家柄)による差別を禁じている憲法14条違反に当たるかについても質問した。内閣法制局の木村陽一・第1部長は「一般論として、皇族という14条の例外として認められた特殊の地位を取得するもので、14条の問題は生じない」と答弁したが、馬淵氏は「旧宮家の男系男子は一般国民という扱いで、門地差別の疑いがあることは否定できない」と批判した。【古川宗】

毎日新聞「旧宮家の男系男子の皇籍復帰意思、官房長官『把握や接触していない』」

 はからずも、小室眞子さんと婚姻した小室圭さんに対する想像を絶するバッシングや、皇族とは関係がない方ではありますが配偶者の女性に対するストーキングや誹謗中傷により離婚せざるを得なかった羽生結弦さんの事例により、皇族の配偶者となる方のハードルはますます高くなったと言えるでしょう。そして、現在の皇室典範のままで推移すれば、遠い将来にたった一人の皇位継承候補者となる悠仁親王殿下の配偶者となられる方に対しては、男子が誕生しなければ皇位断絶という歴史上の皇族の配偶者の誰も味わったことのないプレッシャーとともに婚姻後の人生を過ごしていかなければならず、仮に親王や内親王が生まれない原因が悠仁親王殿下にあったとしてもそのバッシングは配偶者となられる方に向かうのではないでしょうか。岸田文雄総理大臣は、そのような未来が見えてくる中で悠仁親王殿下の配偶者となってもよいと考える方が現れるとでも思っているのでしょうか。

献身と犠牲によっご公務を果たす天皇や皇族を蔑ろにする養子縁組案

 天皇陛下は、2年間の英国留学を終えた後、自由な時間は十分に味わったと皇太子としてのご公務を果たす毎日に戻られ、現在は天皇としてのご公務を果たされています。生まれてから現在に至るまで国民がその成長や言動に関心を持つことは民族や国の物語としては美しいのですが、これは天皇や皇族の献身や犠牲によって成り立っていることを私も含めた国民は忘れてはならないと思います。皇族は皇室典範の定めにより皇族から離れることができますし、天皇や皇太子は皇族から離れることはできませんが、国民との信頼関係が無くなっていると考えるような事態があれば天皇や皇太子の宮中祭祀などのご公務は形骸化し、次の世代に受け継がれていくことはないでしょう。
 そのため、基本的人権が認められていない天皇や皇族に対しては、不自由な生活の中なるべく自由な選択肢を確保しておくべきだと私は考えます。その点で、皇族方にとって見ず知らずの他人である旧宮家の男系男子の末裔との養子縁組を強いられる有識者会議の養子縁組案は議論にも値しないものであると思います。
 そして、女性皇族を皇室に残してその配偶者を国民のままとする案については、報道機関のバッシングなどに対して配偶者が宮内庁などに守られない一方、皇族の配偶者であることで名誉毀損を理由とする民事訴訟を提起することに大きな心理的な障壁が生じることになるのは目に見えますし、それがわかっている報道機関はデマや嘘をこれとばかりに報じることになるでしょう。
 安定的な皇位継承に対する案の議論を放棄して一丁上がりとばかりにこのような馬鹿な提言をなした有識者会議も酷いものですが、その問題点を何ら考えることなく不安定な皇位継承を進めようとする岸田文雄総理大臣も酷いものであると言えるでしょう。