自己理解支援で大切なこと
※この記事は、6月8日にstand.fmで配信した音声の編集後記です。
これまではレターでお寄せいただいたご質問にお返事をさせていただいておりましたが、本日はお返事は一旦お休みをいただき、先日の岡山の講演会(ホリスティック音楽療法の会様が主催してお呼びくださいました。ありがとうございました!)でお話をさせていただいた内容について少しだけ共有したいなと思っています。
講演会では、自閉症スペクトラムの支援の原則的な考え方と具体的対応、ご家族やごきょうだいの支援、ご本人の自己理解の支援をどう考えていったら良いのかという内容でお話をさせていただきました。
その中でも、「自己理解支援」について、僕が大事だと思っている点の中から、今日は二つお話ししたいと思います。
限界を突きつけるためのものではない
まず一つは、診断名を告知する、ご本人に特性を伝えていく時に気をつけなければならないことは、ご本人の行動を改めてもらうための告知にはしないということですね。つまり、特性を知ってもらって、今うまくいっていないことがらの一発逆転を狙うというプランは、基本的には非常に不適切じゃないかなと思っています。そもそも告知や特性説明というのは、ご本人にネガティブなラベルを貼ったり、ご本人たちの限界をつきつけるためのものでは全くないわけですね。
そうではなく、ご本人がご自分の人生をよりよく考えていくために、どんな方向性が自分に合っているんだろうかということを検討していくための大事な情報だと、僕は思っています。
具体的な工夫の提案を
もう一つ大事な点としては、診断名を伝えて「理解してくださいね」だけでいいわけではなく、きちんと具体的な提案をしていくということだと思います。つまり、うまくいかないこともあるかもしれないけれども、こんな工夫があったり、こんな選択をしていくことで、「やりようはある」と実感をしていただくことが非常に大事になってきます。
それ以外にも告知を考えて行く時の大事なポイントはたくさんあるのですが、そのあたりについては、吉田友子先生が書かれた「自閉症・アスペルガー症候群「自分のこと」のおしえ方ー診断説明・告知マニュアル」という書籍が、とても具体的で本当に丁寧に書かれているものになりますので、もっともお勧めです。ご関心ある方はそちらの方も見ていただけると良いかなと思っています。
吉田先生には長年色々なことを教えていただいており、書籍についても、僕は何度も読み返していたりしますので、是非皆さんもお読みいただけると嬉しいなと思っています。
それでは、本日は以上になります。最後までご清聴いただきありがとうございました。また次の音声でお会いしましょう 。
佐々木康栄
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