過日の茶室に飾られていたお軸は『渓聲』であった。或る晩に坐っていると、水のせせらぎが釈迦の聲に聴こえたという有名な蘇東坡の句になる。眼と同様、私たちの耳には外界の聲がほとんどはいっていない。おそらく森羅万象が今朝もささやきかけてきているものの、一度も耳を傾けられたことはないのだ。
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KODO
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