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本場中国の餃子を日本でつくってみた
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嫁の友人に旦那さんが中国人という方がいらして、だったら夫婦二組で本場中国の食卓を日本でもやってみようという話になった。畑にはかなり出没するものの、料理がからきしダメな私の担当は「餃子の皮包み」である。これなら少しはやったことある。
早速、指に水をつけて、餃子を包もうとした途端、
「あっ、ヒダヒダはつけないでくださいね」
と早速、洗礼を受けた。本場中国の餃子にはヒダヒダがないのか? そもそもヒダヒダなしで、皮がくっつくのであろうか? 色々な疑問が頭をめぐったところに、さらなるルールがとんでくる。
「ネコの顔みたいに包むんです」
もはや頭の中は???で埋めつくされはじめていた。突然、ネコの顔と言われてもイマイチ思い出せない。何よりもあの顔と餃子が結びつかない。
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そんな私を見かねた旦那さんが、見本をつくってくれた。たしかに餃子がネコの顔で包まれている。しかも寝ているネコの顔である。鼻がかわいい。
すぐに私もマネをしてみたが、ネコの顔が爆発した。国産小麦粉と水だけでつくった皮が破れ、中からエビも入った肉ダネが出てきてしまったのだ。ネコよ、すまん。不格好な餃子はすべて私の作品である。
嫁たちが台所で料理している間、男どもは庭を優雅に眺めていた。どうも旦那さんは庭に畑を作りたいのだが、何から始めてよいかわからないということであった。これなら、私でも手伝えることはある。
本場中国の味を堪能できたのは、畑を鍬で耕し、庭に残っていた切り株を抜いたあとのことだ。これが美味しくないわけがないだろう。
でも、私は密かに企んでいる。いつか庭から具材を収穫させてもらって、今度こそかわいい猫の餃子を作ってやろうと。
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