国語を必ず1時間目に入れたら、国語が習慣に変わる
クラスの子どもたちをイメージしてください。
今は3時間目直前、中休み終わり。
中休み終わりを告げるチャイムが鳴る。
次は国語の時間。
私は、こんな場面に何度も何度も遭遇してきました。
その姿を見るたび、楽しい、盛り上がる国語にしなくちゃ…。国語で子どもたちを笑顔にしなくちゃ。
そう思い、約10年。
国語教科を中心に、連盟活動やセミナーに参加したり書籍を読み漁ったりしてきました。
でも、ふと自分が向かっている方向に疑問をもちました。
毎日ある「唯一の教科、国語」が毎日笑顔で楽しいのは可能なのか?
先生が何か仕掛けを作って楽しいだけで、国語の力は付いているのか?
人生の基盤教科、国語。
「自分自身の成長が楽しい」ことが一番大切ではないか?
そんな疑問から、生み出された実践が「習慣型国語」です。
実践し数年経ちますが、子ども達の学習に臨む雰囲気が大きく変わりました。毎日ある教科「国語」。
国語を必ず1時間目に入れてみませんか?
朝読書からの落ち着いた流れのまま、一気に国語の学びを駆け抜ける。
「自分の人生は、国語を勉強することで前に進んでいる」と子どもが実感し始めた時に、国語の学びが急加速する。そう信じています。
本noteが、国語の授業前の「子どもの浮かない顔」を何とかしたいと願う、全国の先生方のお役に立てたら嬉しいです。
☆習慣型国語の全体像☆
習慣型国語の手順は7つ。(各勤務校の実態に合わせて変更してください)
このように、習慣型国語は、毎日65分の国語の学習を行う。
朝読書10分、朝の会10分も全て「国語のレベルアップである」と認識し、取り組む。
そして、ここからが個人的には超重要だと感じている事。
それは「習慣型国語」には毎日国語4領域の活動があること。
毎日【読む力を使う場面】
毎日【話す聞く力を使う場面】
毎日【漢字力、語彙力、音読力を鍛える場面】
毎日【書く力を使う場面】→書く力は帰りの会での「レベルアップノート」(振り返りジャーナルを参考に取り組んでいる活動)
例えば、教科書の学習しか勉強しないのであれば、2カ月に1回程度しか【話す聞く力】を鍛え、認識する場面がない。
しかしペアトークで毎日【話す聞く力】と向かい合っているからこそ、教科書での学びが「話す聞く単元」が巡ってきた時に、「自分事」として頭に入ってくる。
教科書の学びを「日常で試す場が常にある状態」は国語の学びにおいて重要。力が付いたら、日常にメリットがあるのだから。
国語の4領域を毎日使う場面があるのは「習慣型国語」を取り入れる大きなメリットです。
☆習慣型国語が必要だと感じる「3つの背景」☆
もう少しなぜ「習慣型国語」が必要だと思ったのか?お話しさせてください。
背景①)国語は嫌い。その上好きでもない教科。
そもそも、子ども達は「国語が好きなのか?嫌いなのか?」知っていますか?学研が1200人の小学生を対象にしたアンケートの結果がこちらです。
国語と算数の2教科が「好き」と「嫌い」の割合が多い事が分かります。
でも、国語と算数をよく比べてみてください。
算数は24.8%嫌いだが、25.3%が好きな教科でもあるといえます。
一方、国語はどうでしょう。国語が嫌いは22.9%(算数とほぼ同じ)いるのに対して、好きは12.9%しかいません。ほとんど毎日ある教科同士にも関わらず、嫌いな人は同じだけいるのに、好きな人は半分程度しかいない事になります。データで見ても、国語の学び方を改善していく必要がわかります。
背景②)国語は全教科の基盤。
国語力が日常生活の基盤であることは疑うまでもない。
語彙力・論理的思考・伝える力等、現代に求められている多くの能力は国語力である。社会に出てからは更に必須の力となる。そして、他教科の学習においても大きな影響を及ぼしているのが「国語力」である。
高校受験などに出る理科の問題などは2問の問題に対して500文字以上の文章がびっしり並んでいるのも珍しくない。これは理科を解く力の土台に「国語力」があるのは、いうまでもない。「読む力」が苦手な子がつまづいているのは、どこなのか?「語彙力?」「音読力?」「漢字力?」それは子ども達一人一人違う。まずは子どもを個別的にじっくりと観ることが必要だと感じた。そのためには、先生が大半の時間を「黒板の前」で過ごしていては、見る事ができない。先生から子ども達に近づく必要がある。
背景③)学校は「習慣化」に最適の場所。でも…
学校は、子どもにとって最も「習慣化」に適した場所だといえる。
平日の朝8時~15時。子どもは毎日毎日学校に来る。これは冷静に考えてみればすごいことだ。「学校に登校する」習慣は多くの子が既に身に付けているのだ。
学校は習慣化に最適な場所だと言える。ならば、子どものより良い成長に繋がる「良い習慣」を学校の中で増やしていくことが大切だ。
しかし、我々大人も何十年と学校に通ったはずだが、学生時代に習慣化していたものが今どのくらい残っているだろう?ほぼ無い人が多いのではないか?
そもそも「習慣」とは何なのか?
一般に「習慣」と呼ばれているものは、4つの習慣の連続で構成されている。
習慣を生み出す根源は「❶❷❸」であり、「❶❷❸」が習慣付いた人が、4の「行動習慣」に向かう。(誰から強制されなくても、自分で取り組む状態)と述べられている。
原因はハッキリした。
学校では、「❶❷❸」を飛び越え、いきなり「❹」を毎日取り組む場合が多い。(先生からの強制があり、取り組む)
これは仕組み上、仕方がないのかもしれない。
でも「❹」だけ強制でやらされていたら、どうだろう?どんな未来が待っているだろう。
・先生が見ていないなら手を抜く。
・先生のチェックを切り抜けられるようギリギリのラインで終える。
・良い成績が欲しいから、成績が取れるように頑張る。
これらのモチベーションのみで勉強を捉えているから、生涯にわたって勉強する人がいないのかもしれない。(とある調査によれば日本の社会人の1日の平均勉強時間は6分なのだとか…)
「習慣型国語」を実践するにあたって意識し続けたこと。
「④行動習慣」から始まっても構わないが、「①受信習慣②言語習慣③行動習慣」に子どもを導いていくことを意識し続けること。
(例)
❶受信習慣
→身に付けた国語力を通して、日常生活をどのようにインプットしていけばよいのか?
❷言語習慣
→感じたインプットを、自分の中で言語化するには、どのような手順を踏めばよいのか?語彙力の向上
❸思考習慣
→どう考えればよいのか?
ここまで丁寧に繋いであげることが大切だと考える。
「習慣型国語」を通して「自分の人生が豊かになっている」。
そんな子どもが1人でも増えたら嬉しいと思い、ここ数年実践と発表を続けてきた。
note新シリーズ「習慣型国語」では、詳細なやり方はもちろんだが、習慣の逆向き矢印「④→①②③」への向かい方を意識した関わりも書いていこうと思います。
おそらく全7シリーズ。5万文字ほどを超えるシリーズになると思います。
目の前の子どもを観察し、現時点では、「国語の学び方」の有効な手立ての1つだと信じています。
もし、今このnoteを見てくださっている教育関係者の方の、国語の授業が少しでも。今よりも明るいものとなってくれると嬉しいです。
☆まとめ☆
・国語を「好きにする」も大事だが「嫌いにさせない」も大事
・国語は毎日ある数少ない教科
・1時間目に国語を固定で入れよう
次回のnoteから、各ステップの詳細を話していきます。
まずは「習慣型国語」の最初のステップ。
次は「朝読書×読書家の時間」について、まとめていきます。
☆今後の「習慣型国語シリーズ」更新予定☆
note②毎日朝読書×読書家の時間【読む力】
note③ペアトーク【話す聞く力、心理的安全性】
note④習慣型国語×漢字【漢字力】
note⑤基礎トレーニング【漢字力、音読力、読解力、語彙力】
note⑥必修の時間と自主トレーニング【好きを伸ばす】
note⑦国語×GIGAスクール構想【国語嫌いを救う救世主】
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