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「がんばる」ということ
筋肉をいじめて、強化することに喜びを感じる人がいる。確かに彼女は3人の子を産んだとは思えないほど、すらっとしていて引き締まっている。おしりもぷりんとハリがある。自分の身体がお手本であり、だからこそお客が集まる。それが、ボディーメイクインストラクター。みんなに伝わりにくいから、私は勝手にヨガの先生って言っている。
昨日は、そのヨガの先生の教室の日だった。
寒い朝、マジで行きたくない。という運動イヤイヤ病を発症していた私だったが、月1回ぐらいがんばりなさいよ!と脳内の声が聞こえてきたし、予約してあるから行かねばならない。
重い体を鞭打って、行ってみると本日欠席が多く生徒は3人とのこと。
「何か、要望はありますか?」と問われたので、私は腰のストレッチをやっておくれとリクエストする。他には病み上がりの方もいたので、ヨガの先生は、考えてきたプログラムを全部捨てて、急遽今の私たちの状態に合わせて柔軟重視のプログラムを組みなおしてくれたのだ。
そう、こういう所がプロだなっていつも思う。
その場でササっと組み替える。お客さんの要望を交えながら、ちょっと負荷をかけていく。これは、先生なりの愛の鞭なのだ。せっかく来てくれたお客さんにインナーマッスル強化のカウント8。先生のちょっとの負荷は、運動イヤイヤ病の私にクリーンヒットして、案の定、全身筋肉痛となってしまった。痛すぎる。腹筋が痛すぎる!
楽しいことしか続かないのが私だ。だから、こんな苦痛の教室なんて、さっさとやめてしまえばいいじゃないか。いつもそう思うのだけど、この教室にはお楽しみがあるのだ。だから続いている。それは、運動後のおしゃべり。
実は、ここに通っている生徒さんはほとんどママ。同じ保育園だったり、同じ学区だったりで何かしら共通点がある。ヨガの先生もしかり。運動後、和気あいあいとランチをする。たまにこういう日をもうけてくれる。
ここでは、近所の情報交換や育児の相談なんかもある。育児相談はお手の物だ。私の得意分野である。運動イヤイヤ病はどこかへ吹き飛び、アドバイスめいた話をいろいろできる。押し付けない程度に、そのお子さんの価値観を知らせてあげる。
ヨガの先生は、その体からもわかるように、ストイックな方だ。
「がんばることをよし」とする。むしろ、美学だった。
ただ、上のお子さんは「どうして、そんなにママはがんばるの?」て問うてくるらしい。この気持ちをつかみかねていた。なぜなら、下の子は「ママ、きょうもおしごと、がんばって!」と言ってくれるから。
私は言う。
「あぁ、それはさ、価値観が違うんだよ。上の子は平和主義で、がんばるってのはさ競争になるじゃん?がんばるっていう言葉自体、ちょっと無理が含まれているしね。がんばるっていう言葉が翻訳できない国もあるんだよ。そういう国では、みんなが無理してまでやる意味がわからないっていう雰囲気なの。そういう文化。」
ヨガの先生が
「あぁ、上の子は違う国の人って感じ?それでなんか、納得したわ。」
と返してくれた。私は、
「まぁ、その子たち私、知ってるしね(笑)」
と付け加える。先生は、
「下の子はさ、私と同じでガンガン行けってタイプだけど、上の子は違うから何だろうって思っていたんだよね~。なるほどねぇ。その分析目線おもしろいわ。」
と言い、日常のちょっとした疑問を解消できたようだった。私はこの兄弟と会ったことがある。だからこそ言える部分もある。子どもたちはおもしろい。同じ兄弟でも全然違うのだ。何より、お役に立てたならよかった。すんなり理解してもらえると嬉しい。子どもの意見を尊重し、ママはママの立場の価値観を伝えるだけでいい。決定権は子どもに委ねて。
親子を見ていると、似ているペアと全然違うペアがいる。
似ているペアは気持ちはわかるが、その分信念が偏りすぎてしまう。
違うペアはお互いを理解できずに離れてしまう。ただ、大人になったらきっとわかる。その理由が。世の中にはいろいろな信念を持った人がいるんだから。あぁ、あの人はそういうタイプだったのねって許せる日がくる。
人間関係は、ちょっと見方を変えるだけ。違う国の文化だって思うだけ。相手の文化を尊重し、自分の価値観がブレないように、お互いいい所で話し合う。そういうのが親子でも大事だし、ちゃんと話し合うことをやろうとしているヨガの先生は凄いと思う。
みんな、大事にしているものがある。
愛情があるからこその言動だし、その行動。
私は、その場が楽しくなるのが大好きだ。もやもやがすっきり晴れるのが。その場がほっこり和むのが。やっぱり、楽しいことしか続かない。
こういう、おしゃべりが楽しいからゆるく続いてる。
この場を作ってくれた、ヨガの先生ありがとう♡