
居場所
今は、名古屋に住んでいる。育った場所の影響は大きい。
そんなことを子育てをしていると、ふと、思う。
昨日は地域の運動会があった。
初めてこの風景を目の当たりにした日、「すごい!」って驚いたものだ。
私が昔住んでいた瀬戸の団地では、地域の運動会らしきものといえば、近所の公園で粉の中に顔を突っ込んで飴を探すゲームをやって終了だった。(もしかしたらもっとやっていたけど、記憶にないだけかもしれない)
ただ、ここは違う。
小学校の校庭を貸し切って、テントを立て、町内20組弱のチーム対抗戦だった。リレーに優勝した子どもたちには毎年旗が渡され、その町内は次回の運動会で国旗掲揚をする。地域の人はみんなウェルカムで、何なら最後はくじまでやっている。リレーや二人三脚などの各競技に参加するたびに、子どもはお菓子、大人には生活に役立つ実用品(ジップロック、ティッシュなど)が商品として配られる。
きっと、今日1日だけでも何十箱というダンボールが消費されたはずだ。各テントでお弁当も用意されているので、ここだけで経済効果は抜群だろう。何なら、孫の姿を見に違う地域から訪れる人もいるから、集客効果もある。
とにかく、凄いイベント。
PTA、子ども会、町内会がなくっている地域が多いと聞くが、ここはきっとなくならないだろう。伝統色が強い。
5月にあった小学校で行われた本物の運動会と比べると、もはやコロナ後に復活したこちらの町内運動会の方が規模が大きくなっている。校長先生や教頭先生も呼ばれていた。(きっと休日ボランティア)
たまたま、両腕を骨折して5月の運動会に参加できなかった息子にとって、今回の町内の運動会は、ありがたいものだった。
彼は、「リレーで走る!」と意気込んでいた。
本当は、5月にできなかった綱引きにも参加したかったようだが、選手の抽選で落ちてしまった。そう、選手決めまであるのだ。子どもたちが何の種目に出るかを決めるのは、地域の子ども会の役目だ。あぁ役員に当たった時に負担たるや……。(子ども会の皆さん、お疲れ様)
前日の大雨が嘘のように、雲ひとつない良い天気になった。きっと運動会をやりたい人が多かったのだろう。願いは天気まで変えてしまうようだ。
私は、子ども会とは別のPTAボランティアで、せっせとお手伝いをして日焼けをしてしまった。わざわざ町内対抗で、競争なんかさせなくてもいいじゃんって思っていたけれども、あれは盛り上がるための1つの要素にすぎないようだ。スポーツ観戦をしている感じ。
とにかく、この地域のみんなが動く日だった。
すべては、子どもたちのために。
温かい地域だからなのか、ママ同士で話をしているとこの辺りが地元の人がやけに多かった。「私も昔、これに参加していたよ。」って教えてくれた。
育った場所の影響は大きい。
子どもたちを大切にしてくれているこの地域はありがたい。
昔、瀬戸に住んでいた私は人には恵まれていなかったように思う。たぶん、みんないっぱいいっぱいだったから。
小学生の私は人には頼らず一人で夜空を見上げていた。理科の授業で習った星座を探しに。大きな空に、大きく大きく輝く北斗七星を自分で初めて見つけた時の感動は忘れられない。そういう自然には恵まれていた。広い空が味方してくれていた。
今でも、空が大好きだ。
飛行機雲すらない青空に、沢山の人の笑顔。
それが揃った運動会。
子育てをしているからこそ、知り合えた人も多い。
人生って不思議でおもしろい。
人生を変えるなら、「いい人・いい本・いい旅」がポイントだ。
「どんな人に出会い、どんな情報を得て、どんな場所で過ごすか」
これで、確実に変化は起きる。
いろいろなタイプの人に出会って、
生活に関する様々な知恵をもらい、
大きな空に見守られながら1日を過ごす。
私が変化した先に待っていた居場所は、
「子どもたちを大切にしてくれる街」
あぁ、大事にしてもらいたかったんだな。
あの頃の自分は。
だから、今ここにいるんだ。
自分で、そういう居場所をつくってきたんだ。
私の居場所は、ココ。
子育てが楽しくできている今ココに。
それを表現できている今ココに。
ありがとう。