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100均の包装紙と、専門店のデザインペーパーの違いを指で感じた日

ラッピング用品を選ぶ時、100均へ行けば一通りそろってしまいます。
水玉模様や楽譜やストライプ、今の時期はバレンタインフェアでハート柄も多いのです。お手頃価格で手に入る紙。
実は、価格だけで見てしまうと同じサイズでその5倍も10倍もする紙があるのです。その分、紙質が全然違う!これは手にとってみないとわかりません。それらが所狭しと売られている、お店が名古屋にありました。

ピンクの倉庫や看板が目印。熱田神宮から徒歩ですぐ。


名前だけは知っていたけれど、いつも車で通りすぎるだけのこのお店。
ちょうど熱田神宮に用事があった日に、思い立って寄ってみました。上から、熱田神宮のカラスがじっと見ていてちょっと怖かったけれど、まぁカラスって神の遣いっていうぐらいだから吉報の知らせだと思い直し、いざ、初入店!

出入口入ってすぐには、99円のレトロ柄の紙たちがどっさり。(京都の印刷屋さんが閉まった時ので今だけっぽい)そこにはお客さんがいたので、私は左の通路へ入りました。ペーパーナプキンの棚の向こうにマスキングテープがいろいろ並んでいます。絵本のぐりとぐらの絵のタッチ山脇百合子さんのやつもあって、しげしげと眺めていると、下の方には見たことのない切手がありました。こそっと、隅の方に。手にとってみると、ヨーロッパの切手!
隣の棚には、金色の紙でできた小さな王冠やら白鳥やらのモチーフがかわいいドイツのドレスデンペーパー。その上には、タイの豆本。奥へ続く道を進んでいくと、マーブル模様で染められたデザインペーパー。花柄模様に至っては数え切れないほど。1月中はデザインペーパー15%オフのセールをやっていました。

一番奥はちょっとしたギャラリーになっていて、切り紙作品の展示がありました。蝶や金の絵の具で描かれた縄文風の絵など。
くるんと引き返して、入り口まで戻ります。その道すがらスタンプやペーパーカットのアイテム、まさかの蛤まで。(いったい貝は何に使うんだろう……源氏物語の貝合わせでもするのか?)ここは、玄人向けのお店かもしれません。ちょっと私じゃ知識がなさすぎて1つ1つのアイテムの良さを伝えきれなくなってきました。

気を取り直し入口へ戻ります。右側にはひな人形など季節の紙作品が並び、入り口奥のゾーンは和紙が中心のようでした。京都の紙を思い出させるようなデザインの和紙、御朱印帳、紙にこだわった白い和紙がこれでもかというくらいにひしめき合っています。所々に挟まれるようにネパールの栞がひっそりと棚に並んでいたりして掘り出し物を探しているようでおもしろいです。階段を上がると昔の貴重な本の一部がばら売りされていました。なるほど……これも売り物になるんだなっと感心しながらお店を見て回ります。

お客さんは、常連客さん以外にもおばさん4人組がわいわいと見ていたりして、ちょこちょこと入れ替わり立ち代わり入っている感じでした。
紙を陳列している棚を見ていると、保育園で働いていたころを思い出します。ケント紙を色別にこうやっていれていたなぁ、と。ふと、棚に何か貼ってありました。

本の宣伝なのでしょう。至る所にこの本の中でこちらの紙が紹介されているよってアピールしてくれます。詳しくは本を読めということなのでしょう。確かに、商品を見てもこの商品の価値は私にはわかりません。それでもわかるのは、手触りぐらいです。これだけ紙が並べられているのでいろいろな紙を触らせてもらいました。優しく親指と人差し指で挟みます。少し端の方を触るだけでザラザラしている感じ、厚みがある感じ、凸凹する感じ、和紙独特のカサカサする感じ、いろいろな紙と出合えたのです。外国製の紙の種類も豊富なので、日本の紙との違いも感じます。

異国情緒のあふれる紙専門店。
こんなおもしろい場所が名古屋にあったなんて、盲点でした。
指先で感じる世界の紙たちに出合える場所。
ここでは、2月に2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」にちなんで、浮世絵・錦絵の芸術の紙についてのセミナーも開催するらしいです。興味もある方は、ホームページを見てみるとおもしろいですよ。

紙って奥深い。
そう、感じた1日でした。


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