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【読む力】②怒りの根本を探す
守りたいものがあるから、怒るんだ!
アンガーマネジメントという言葉をよく聞くようになりました。
それこそ、PTAの研修でも取り上げられています。
我が子に怒りをそのままぶつけないように。
怒りとは、二次感情なのです。
何かを守りたくて、怒りという表現で心をガードしています。
そのガードしているものが気になりませんか?
一次感情である怒りの根本を知りたくありませんか?
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A
Aさんはせっかちです。何事も早めに取り組みます。
この人が守りたいものは、時間です。
突き詰めて言うのならば、自分の命の時間。
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自分の時間を奪われることにイライラしがちです。
だから、怒るんです。
人としてその行ないはないだろう!
そんな事をしているなんて、時間の無駄である。
早くしてほしい。とっとと前に進め!
自分の貴重な時間を奪うんじゃない!
これが表面に見えるものですが、根本は
自分の命の時間の価値をすごく分かっていて
大事にしているから。
それを失うのが嫌なのです。
意味のないむだ話が嫌い。今でいうタイパ重視。
これが、根本。
世の中で一番命の大切さを知る人です。
生まれてから、いつ死ぬのかはわからないけれど、
その間の貴重な時間を有意義に過ごしたいだけなのです。
その気持ちを分かってもらえなくて悲しくて、それが怒りに繋がります。
B
Bさんは何でも知りたがります。
人のゴシップや秘密も暴きたい。
ミステリー小説なんかも大好きです。
教えてもらうとすごくうれしいです。
逆に、何か隠しごとがあると気になって仕方ありません。
この人が守りたいものは自分が知る権利です。
知恵をたくさん欲しています。
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自分だけが教えてもらっていなかったり
自分にだけ秘密のことが許せません。
また、難しくしすぎた社会のシステムも腹立たしいです。
わざと分かりにくくさせているのが
だんだん見えてくるからです。
そこに怒りが湧いてきます。
もっと、わかりやすく説明できるだろ?
もっと、簡単に教えられるだろ?
だって、糸がこんがらがっているだけだよ。
意味不明なことは、すでに解き明かせた人もいるのに。
現代でいうと、ブラウザとアプリの違いを
きちんと説明できる日本人がどれだけいるのか?
そういう所にをBさんは嘆きます。
自分がもっと知りたい!もっともっとわかりたい。
できたら、人にもわかってほしい。
それに興味をもったら、みんな幸せになるのに!
そう思ってしまうのです。
ただ、知りたいだけ。そこが根本です。
C
Cさんは割と冷静です。そこまで激怒することはありません。
とても忍耐強いのです。でも、この人を怒らせたら大変です。
この人は、人としての尊厳を大切に生きています。
大切にしているものは、自分の価値です。
あり方や、生き方。道理でもあります。
武道、茶道、華道に通じる「道」を極めることをよしとします。
だから、ルールには従順に従います。
それを良しとしています。
そういう価値観があるのです。
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ということは、逆に世の中のルールを守らない人たちが許せません。
この規則をなぜ守らないんだ?
順番を抜かすなんて論外だ!
どうして世の中のお金が一か所に集まっているんだ?
理不尽だ。
弱きものは守るのが筋なのでは?
きちんと評価をしてほしい!
こういうものが積もり積もって怒りにかわっていきます。
世の中がおかしい!と。
これは、周りまわって自分の立場に関係します。
だからこそ、自分が尊重されていないと感じると怒ってしまいます。
自分という人間の尊厳を大切にしている。
これが、根本です。
D
Dさんは家族思いなよい人です。
社会のルールもそれなりに守って、
今日も仕事をなるべく早く終えて
家族サービスのピクニックに急ぎます。
ただ、頼まれたらイヤとは言えません。
だって、叱られるのは嫌いだから。
この人の大切なものは、平和です。
みんな仲良くできる、愛のある世界です。
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家族がみんな仲良く。会社も穏便に。
戦争なんてもってのほか。
できたら、自分を一人ぼっちにしないでほしい。
ぬけがけなんて許さない!
孤独はすごく寂しいじゃないか!
ぼくを一人にするなんて、そんなの嫌だ。
好きな人と過ごす時間こそ最高に幸せなんだ。
そう思っています。
だから、大切なのは穏便な人間関係。
できたら、自分の気持ちもわかってもらいたい。
そう思っています。
人を大切に思っているからこそ、人に蔑ろにされた時
すごくすごく傷つきます。
好きな人たちを守り抜きたい!それが行動の要。
こういうタイプを怒らせてしまうと、恨まれやすいです。
怒りのコントロール方法
誰でも、自分の大切にしているものを傷つけられたらいやですよね。
それぞれ、大切にしているものが違うのです。
多様性とは、こういう相手の見えないけれど大切にしているものを大切に扱ってあげることなのです。
人によっては、時間です。
人によっては、知恵です。
人によっては、道理です。
人によっては、愛情です。
それぞれの優先順位が違うだけ。
怒りはとてもパワフルな感情です。
時に、この怒りをエネルギーに変えて
反骨精神で起業してみたり、行動に移すこともあります。
だから、一概に怒りを悪いものにしたくはありません。
ただ、薬も用法・容量があるように、怒りにも適量が求められます。
怒りの注意書きは3つです。
①人を傷つけるような暴力的行為は禁止。
②自分自身を傷つけるような行為は禁止。
③物を破壊するような行為は禁止。
世の中には、こういう約束があります。
周りの人も、自分も守るために。
これは、子どもたちにも伝えてきましょう。
叱ってでも、何度も繰り返し知らせていきましょう。
ここのコントロールができない子は生きにくいでしょう。
有名な本「7つの習慣」にも、最初に書いてあるところです。
刺激と反応の間には、選択の自由があるのです。
選択の自由のある人は、怒っている人を見たら
どうしてそこまで怒るのか冷静に見てあげられるでしょう。
あぁ、この人は自分の時間が侵害されて嫌だったんだ。
それだったら、タイパのよいやり方がよかったんだな。
でも、タイパの良い方法だと、あっちの人がついてこられないかもしれない。あなたはできるけど、あっちの人はできない。そのことで傷つく人もいることを知らせてあげよう。
あぁ、この人は自分も知りたかったんだな。
じゃあ、この情報が役立つかもしれない。
けれど、これをあなたが知ることで傷つけてしまう人もいるのもきちんと伝えよう。世の中には、墓場まで秘密を持っていきたい人もいるのだから。
あぁ、この人は自分のプライドが傷ついて嫌だったんだ。
せっかく頑張って道を極めている途中なのに、出鼻をくじくような言い方が気に入らなかったんだ。この人は忍耐強いから励ましだけで十分かもしれない。でも、世の中にはそんなちっぽけなプライドを守るよりも、早く逃げたいとかサボりたいって思っている人の方が多いという事実を伝えなくっちゃ。そこまでストイックに人は生きられないのだから。
あぁ、この人は自分が置いてけぼりになるのが嫌だったんだ。一人ぼっちは怖いんだよね。子どもが迷子になって心細くなるのと同じで。みんなと一緒に過ごすのが平和で心地よくて幸せなんだよね。そこに自分が入れてもらえないと悲しすぎるんだよね。だから、自分を押し殺してまでもみんなと一緒が嬉しいんだよね。ただね、一人で極める道を歩む人もいるし、ずっと一緒にいることが苦手な人もいるんだよ。そういう価値観の違いがあることも伝えてあげよう。大丈夫。あなたは一人じゃないから。
怒りの根本がわかれば、その価値観が独りよがりの感情だったと本人も気づけるはず。それを受け入れて、改善ができるかは本人次第です。自分の怒りを自分で沈めるのは技術です。
自分の根本の感情に気づき、あぁ自分はそこが大切だったから怒ってしまったんだ。このまま怒りを外に出してしまったら誰かを傷つけてしまう。そんな自分が嫌だから。そういう自分になってしまったら、のちのち自分も傷つくからやめておこう。そう思えるようになると、怒りなんて怖くありません。すべては、自分の中にあります。