ちいさなこどものけんりのほん
2023年始まりました。
皆さん、どんな年の始まりをお過ごしでしょうか。
子どもの権利・きもちプロジェクトでは、
小さな新しい絵本を、世におくりだすことになりました。
現在発売中の雑誌『kodomoeコドモエ』最新号(2023年2月号、白泉社)
の付録絵本
『ちいさなこどものけんりのほん』
(えがしらみちこ・絵 子どもの権利・きもちプロジェクト・文)です。
もともとのご縁は、『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』の編集者である山縣彩さんが『kodomoe コドモエ』の付録絵本をご担当されていたことでした。
(山縣さんは、くまのがっこうシリーズ、
『ドーナツペンタくん』など数々の人気絵本を担当されているのです)
うれしかったのは、この付録企画が山縣さんからの発案ではなく、
編集部からご提案いただけたということです。
世の中の子どもの権利への関心が少しずつですが、
広がっていることを感じました。
山縣さんとえがしらさんが話し合いながら作った、
絵のはいったラフのかたちになったものをいただいたのは、
10月終わりごろだったでしょうか。
11月から本格的にオンラインやチャットで議論をして、
私は2回、momoさんも2回、推敲案をだし
えがしらさんと山縣さんはもっとたくさんの回数の
リライトや修正をし、数々のグループLINEのやりとりを経て、
11月半ばに言葉や表現の方向性が定まりました。
そこから、細かなテキストやイラストの加筆修正をして完成しました。
たった22ページ。
そのなかで私たちが、
子どもと、子どものそばにいる子育てをしている方たちに
何を一番伝えたいかを考える作業でした。
とくに優先したことは、子どもの権利の四つの原則が
まるごと伝わるようにすることでした。
子どもの権利という考え方は、頭で理屈を理解するだけでなく、
日常のなかで思考や行動を決めていくときに
土台として存在するものだと思っています。
【子どもの権利の四原則】
・命を守られ成長できること(第6条)
・差別のないこと(第2条)
・子どもにとって最善の利益を考えること(第3条)
・子どもが意見を表明し参加できること(第12条)
これらの4つが関連しあっていることが伝わるように
そして、「その子にとっての最善の利益」を考えるうえで
なにより子どもの意見を聴く必要があることを盛り込みました。
この「子どもの意見表明」に6ページを割いています。
最後のページには、おとなへのメッセージを書かせてもらっています。
子どもの権利は、それをまもる環境をつくるために
時間・人間関係・経済力などの資源が必要だからこそ、
おとなもまた支えられる必要があることを伝えました。
『kodomoeコドモエ』本誌ページにも
1ページのインタビューコーナーをいただき、長瀬のメッセージを寄せさせてもらっています。
えがしらさんの、はじめはえんぴつの下書きだった子どもたちが、
輪郭を持ち、鮮やかな色とともに生き生きと描きだされた姿は感動でした。
『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』の
原画展がえがしらさんが主宰されるえほんやさんで
昨年の夏実施されました。
そこでのインスタライブを含めた
対話もこの絵本の土台になったように思います。
えがしらさんの描く伸びやかな子どもたちの姿とともに
子どもの権利という価値が多くの方に伝わりますように。
そんな祈りのような気持ちをもつ年始です。
何万部も刷られる雑誌なので、こんなふうに世の中に飛んでいくこと
とてもうれしいです。どんなふうに受け止められるのか、
みなさんの率直な応答を楽しみにしています。
『kodomoeコドモエ』最新号、
おまけのパンどろぼうのシールもありますし、
『ノラネコぐんだん』の付録絵本もついています。
(付録絵本が2冊ついているのです)
そして、本誌第2特集は(写真ではわからないのですが)
「今、子どもに伝えたい大切なこと 性とジェンダー、親子でどう話す?」
になっています。
そこに太田啓子さんのインタビューが!
昨年読んでものすごくおすすめの本
『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(大月書店)の著者さんです。
そんなコドモエ2月号、
ぜひ、お手に取っていただけたらうれしいです。