海の上から見る別世界。カヌー体験から学ぶ防災への意識
私たちこども防災協会が主催する「こども防災キャンプ」では、季節に合わせ、自然に親しむアクティビティを多数企画しています。自然との触れ合いを楽しみながらも、時に災害という形で脅威となる自然環境の怖さも同時に体験することで、子どもたちの防災への意識や知識を育てたいという考えでスタートしました。
夏のキャンプでは、海や川などの水辺で楽しむウォーターアクティビティがメイン。この日のキャンプでは、参加者から特に好評なカヌー体験を楽しみました!
ワクワクのカヌー体験へ漕ぎだそう!
カヌーは小舟に1人~数人で乗り込み、パドルと呼ばれる道具で漕ぎながら水上を進んでいくスポーツです。先日開催されたパリオリンピックでご覧になった方も多いかもしれませんね。オリンピックの種目のように競技性が高いものから、自然の中でレジャーとして行うものまで、さまざまな楽しみ方があります。
キャンプに参加した子どもたちは、ほとんどがカヌー初体験。ライフジャケットをしっかりと着用し、ワクワクした面持ちでカヌー乗り場に集合します。この日は2人乗りのカヌーに挑戦しました。
カヌーにはエンジンも舵もついていないため、前に進むには自力で漕ぐしかありません。それこそがカヌーの醍醐味といえますが、初めてカヌーに乗る子どもたちにとっては想像以上に大変な作業です。
初めはなかなか思うように進めず苦戦していましたが、2人で息を合わせつつ、だんだん上手に前進したり方向転換したりできるようになっていきました。
肌で感じた「波の力」
海の上から自然を見る別世界を体験した後は、しっかりと学びにもつなげるのがこども防災キャンプの目的です。
例えば、もしも海水浴中に波にさらわれてしまったら? あるいは、このパワーが津波となって押し寄せてきたら? 自分の手でカヌーを漕ぐことで、波のパワーや揺れの大きさを肌で感じた子どもたちに、そのような海の危険についても想像力を働かせて考えてもらいます。
この日の海は波が穏やかでしたが、それでもカヌーを漕ぐにはそれなりの力が必要で、油断するとすぐに思わぬ方向を向いてしまいました。そんな体験から、子どもたちからは「小さい波でも気をつけないといけない」「事故や災害時の水の怖さが分かった」という声が聞かれました。
水難事故を防ぐため、日頃の意識を
まだまだ暑さが続くこの時期。海や川で泳いだり、水上スポーツを楽しんだりする機会は多く、事故防止への注意が引き続き必要です。警察庁の発表によると、2023年の7~8月には全国で453件の水難事故が発生し、そのうち49件が中学生以下の子どもの事故だったそうです。
(参考:警察庁ホームページ「令和5年夏期における水難の概況」)
防災への知識を身につけ、日頃から意識を高めておくことで、こうした事故を防げる可能性は高くなります。こども防災協会では、今後も防災キャンプなどのイベントを各地で開催し、子どもたちの「生きる力」を育てていきます。興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!