「うっかり八兵衛」の日常。
長男は、”うっかり”なお方です。
うっかり、靴下履いたままタオルを肩にかけ、銭湯の扉を開けていたり、
うっかり、終業式に上靴いれだけ持って帰り、上靴を置いてきたり、
うっかり、園児鞄持って、学校に行こうとしたり。
「こりゃ、うっかりだ。」
とやっているので、彼を時々、うっかり八兵衛と呼びます。
かれは、元祖「うっかり八兵衛さん」を知らないでしょう。
『水戸黄門』に出てきます。
黄門様に使える助さんを慕う八兵衛さんは、うっかり口が滑ることが多々あるのですが、正義感溢れるお方で、ユーモアあふれる立派なお方です。グルメ家という一面もあり。
うちの長男は、うっかり口が滑ることは、ありませんが、行動が”うっかり”なので、”うっかり”だけを襲名させていただきました。
このうちの「うっかり」は、日々忘れ物をします。
現在、『健康観察カード』というものを毎日学校へ提出しています。
このカードには、毎日の検温、体調の良し悪しを書く欄以外に、宿題の出来具合、忘れ物の有無を書く欄があります。
割と小さい忘れ物まで先生にチェックされ、先生直筆で忘れた物が書かれております。
消しゴム、定規、ハサミ、赤鉛筆・・・・。
先生ってすごいお仕事ですよね~。
うっかりの長男の失態をさて置き、隅々までよく見ていらっしゃる先生のプロフェッショナルに感動してみたり。
いや、違うぞ。
うちの「うっかり」のせいで先生のお手を煩わせているんじゃないか!
こりゃうっかりだ!
ってなわけで、うっかり長男に忘れ物をしないようきつくお灸をすえました。
が、やはりまたもや忘れ物欄に書かれている先生の直筆・・・。
なんだ、今度は、何を忘れたんだ。
恐る恐るのぞいてみると、『算数プリント』。
「こりゃ、君、宿題だね?」
「あぁ、そうだね。」
つ、ついに大物までうっかり忘れてしまったのか・・・。
「君、困るんだよねー。このままじゃ。」
まぁ、本人も反省しているであろうと上司が部下に注意する程度で終わらせました。
が、
またもや『算数プリント』しかも、連日で。
「君、昨日の算数プリントちゃんと、ランドセルに入れなかったの?」
「あ~、今日は入れとくよ!」
反省しとらんやんけ。
が、しかし、
やはり、長男をきつく叱れない私。
なぜなら、この私が、「うっかり」だから・・!
3年前、私は、3人の息子を連れ、夫の実家の法事へと参列していました。
そして、食事は、外で会食を・・・となった時、義母より有難い申し出が。
「ルイちゃん(三男)は、私が家で預かっているから、上の子二人だけ連れていってらっしゃい。」
「ありがとうございます!!」
まだ、4歳の長男、2歳の次男、+乳飲み子の三男がいたら、ろくにご飯も食べられやしない。
もう、4歳児と2歳児の世話だけでキャパオーバーすっよ。
となんの躊躇もなく、3男を預け、食事へと出かけました。
案の定、興奮しまくりの4歳児と2歳児の首根っこをとっ捕まえながら、おいしい食事にありつき、会食が終了。
「じゃ、私たちは、これでご無礼させていただきます~。」
と両脇に4歳児と2歳児を抱えて頭を下げたら、親族の方々の目が丸くなっておりました。
え?私、何か、変なことでも言いまして?
興奮冷めやらぬ4歳児と2歳児をこれ以上とどめておくこともできず、一刻も早く立ち去ろうとしている私に、
奥ゆかしさの極みを備えた義理のお姉さんが、恐る恐る、
「あの・・・、もう一人・・・。」
「え?もう一人?」
「もう一人の方が・・・。」
「もう一人・・・あぁ!!」
その時、ようやく私の頭が理解しました。
もう一人の息子を忘れているってことを。
半年前に出産したんでした。確かに。
三男を迎えに行ってみると、外にまで響き渡る鳴き声が・・。
これを忘れていたなんて、こりゃうっかりだ・・・。