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『おこだでませんように』母も願っていいですか?

七夕の日は、毎年天気がよろしくない。

今日も雨。

この分では、夜でも雨空、もしくは、曇り空でしょう。

せっかく買った望遠鏡は、もう長いこと、放置。

レンズが曇り始めている。

子どもたちと夜空を眺めたかったけど、「晴天の七夕」が来る前に、子どもがでかくなってしまうじゃないか。

しかし、曇天だろうが、雨天だろうが、スーパーやらスイミングスクールやらには、置いてあります短冊コーナー。

子どもたちが食いつかないはずがない。

「母ちゃん!短冊書いてもいい?!」

ウキウキ顔で長男が走ってゆく・・・。

後に続く弟達・・・。

長男が短冊と鉛筆を手にし、何の躊躇もなく書き始めた!

「コロナが早くおさまりますように・・・」

おお・・・。今年は、まともなことを書いとる・・・。

「そして・・」

そして?!

「ニンテンドーワールドに行けますように。」

私欲です。それ。

「母ちゃん、『お』って書いて。」

まだ、平仮名が書けない次男。

「『お』?次は?」

「『か』!」

「『か』・・次は?」

「『ね』♡」

「『ね』っと。ってこ、この後に続く文章はもしや・・・?!」

「『おかねがあつまりますように』だよ。」

あぁ~。5歳児~!!金がらみの願い事、母に書かせるなんて~。

分からんでもないけど~。

って、次男に言われるまま願い事書きました。匿名希望で。

煩悩だらけの息子たちの願い事ですが、ここで記したかったのは、以下の絵本です。

決して、息子たちの煩悩を深く掘り下げてみようとかは・・・。


この絵本を、市が開催している『子育て講座』で知りました。

託児がついている講座。

もう託児がついているってことが魅力なんです。

とにかく一時でいいから子どもと離れてみたかった。

そして、家にこもりっきりの育児生活に出ていく場所が欲しかった。

そんな理由で受けた講座に、講師の方より紹介されました。

出版されて十年以上経ってますが、七夕シーズンになると、大きい本屋さんなんかでは、紹介本として飾られていたりします。

が、

「子どもが好きな本!」

とか、

「子どもに読み聞かせてあげたい本!」

とかいう名作とは、この本はちょっと意味合いが違うかのように思います。

どちらかというと、

「育児中の保護者や、教育関連のお仕事をしている方に一石を投じている絵本」

といった感じがします。

あらすじは、

やんちゃな男の子がいて、学校や家でも怒られてしまう。

でも、それは、理由があって悪いことをしてる。

家で妹と遊んでいただけなのに、妹が泣いてしまった。

それを見たお母さんは、僕が妹を泣かせたと怒る。

学校で、仲間外れにされた。だから、お友達にキックをした。

それを見た先生は、僕だけを怒る。

本当は、僕だって心にパンチを受けたのに。

七夕の日、学校で短冊を書いた。

「おこだでませんように」

覚えたての平仮名でそっと。


ざっくりなあらすじです。

男の子は、口下手で不器用な子です。

「自分のこと」を話すことが苦手な男の子です。

怒られても我慢をして、涙をこらえてそっと横を向くのです。

それでもやはり心の中に願っているのは、

「怒られたくない」

この一言でした。

誰だって、怒られたくない思いがあります。

それでも、育児をしているとどうしても子どもを怒らなければならない場面に出くわします。

「どうして言ったことが守れないの?!」

何度子どもに浴びせた分からないワードです。

怒られることが分かってて直さない子も子ですが、直さないことを許容できない私も私です。

母としての叱りと、感情的な怒りともうミックスになちゃって子どもにぶつけてしまったこともあります。

反省してます。

だからこそ?、だからこそ。

この『おこだでませんように』読んだとき、めちゃくちゃ泣きました。

「ごめん!」

心に浮かんだ言葉は、この一言だけです。

この絵本の中の男の子が自分の子のように感じて。

我慢させてごめんなぁ。怒ってばっかりでごめんなぁ。

とにかく今までの自分の子どもへの接し方を反省させられました。

母だって人間ですので、感情的になってしまったり、日常の忙しさに、ゆっくり話を聞いてあげる余裕もなかったり。

でも、子どもの心の負担を立ち止まって考えてあげる機会を自分の中に作らないといけない。

この絵本に気づかされました。

ので、七夕の願い事は、子どもの心をこっそり聞けるチャンス。

と思いきや。

「おかねがあつまりますように。」

え?

「おこだでませんように。」

じゃなくて?

「5歳児がピュアなハートを取り戻しますように。」

今年の母の願い事です。





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