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11年間のファーストキャリア振り返り
◆はじめに
2010年4月に新卒入社した会社を2021年6月末をもって退職することにしました。IT人材としてのファーストキャリアを振り返り、今後に活かすために自身の過去を振り返ります。
◆勤務先
某ERPベンダー(大企業向けERPパッケージの開発販売導入保守)
◆経験職種
①QE(クオリティエンジニア)/ QA(クオリティアシュアランス)
②会計システムパッケージ導入コンサル
③会計システムパッケージ保守コンサル/有償ビジネスコンサル
◆退職時グレード
最終役職:Expert(プロフェッショナル側) ※Managerの1つ手前
勤続年数:11年2カ月
◆ファーストキャリアで学んだこと
QE(クオリティエンジニア)/ QA(クオリティアシュアランス):4年
○実務系
・ソフトウェア開発の品質保証
品質の数値化などを主務とする理系色の強い職種で最初の仕事は始まりました。会社としては後発製品を開発している部署に配属されたため、ベンチャーの空気もかなり強く、深夜残業当たり前の世界で最初の数年を過ごした。ただし、当時からファーストキャリアということは意識しており、仕事量が増えることに抵抗感はなく、色々経験させてほしいと前のめりではありました。このときの業務で、担当者としてのテストケース作成スキルやテスト実施スキルが向上しました。良質なテストケースを考えることが最も重要であるが、考えたテストケースを実際に実行するのもまた難しい場合があります。所属部署には、ソフトウェアシンポジウム「JaSST(ジャスト)」に登壇された方もおり、社内勉強会なども通じてシステムにおける品質保証のナレッジを蓄積しました。http://jasst.jp/about.html
・Oracleデータベース
開発されるシステムは全てOracleDBにデータが登録されていました。Oracleのチューニングのような業務はなかったのでそのスキルは身につかなかったが、大量データの中から必要なデータをピックアップするといったスキル等が身に付きました。総じて、文系大卒の社会人がデータベースに慣れる期間となりました。
○ツール系
・Trac[バグ管理]
https://www.ossnews.jp/oss_info/Trac
・subversion[ソースバージョン管理]
https://ja.osdn.net/svn/
・Selenium[ブラウザ自動化ツール]
https://www.selenium.dev/documentation/ja/
・AUTOTEST[クライアント自動化ツール]
社外非公開 ※テスト界隈では有名な伊藤望さんが提供
https://m.incubatefund.com/portfolio/trident
②会計システムパッケージ導入コンサル:4年
○実務系
・GL/AP/AR/EXの領域を中心に10社ほどのシステム導入プロジェクトに参画しました。先輩コンサルより「仕訳で考える・仕訳で話す」ということを教えられ、お客さんがシステムで作りたい仕訳は何かを意識して導入を行っていました。また、2016年頃よりクラウド型の新製品の導入プロジェクトにもアサインされたことで、SIerのような導入経験も積むことができました。非常に苦労した顧客が利用していた会計システムは富士通のGLOVIA。https://www.fujitsu.com/jp/services/application-services/enterprise-applications/glovia/
当時は、GLOVIAよりも優れた会計システムを提供したいという思い入れを持ってプロジェクトに望んでいたが、結果的に開発遅延で2年ほど続いたプロジェクトはキャンセルにより頓挫する形となりました。
・導入資料標準化タスクという社内プロジェクトにて、後工程で手戻りを発生させないシステム導入の段取りを考え、協力会社の方のリソースもお借りしながらドキュメント拡充に貢献しました。なお、当時この社内プロジェクトの旗振りをしていた方は、現在ビットキーというスタートアップのCEOをされている江尻さんという御方です。https://book.mynavi.jp/macfan/detail/id=103455
○ツール系
外部ツールは特段利用せず、社内で「コンサル三種の神器」と呼ばれていた以下3つを武器に導入プロジェクトを推進していました。
・課題管理
・議事録
・WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)
③会計システムパッケージ保守コンサル/有償ビジネスコンサル:3年
○実務系
・TOYOTA系列のティアワンに属する大手自動車部品メーカーの専任担当者となりました。会社としては多額の保守フィーを頂戴しているクライアントであったため、掛け持ちではなく、専任でのアサインとなりました。パッケージ保守コンサルと言いながらも、実際には個社最適されたツールも提供されており、その点は苦労しました。また、大企業であるが故、ステークホルダーが多く、法人間の調整事では苦労することもありましたが、交渉スキルをレベルアップさせることができたと思います。
・協力会社の方とチームを組み、クライアント企業がグループで利用している(およそ30社ほど)会計システムの運用維持管理及び製品機能利用拡張に注力しました。
・情報システム部に対してインフラ系の課題に対する対策を都度まとめて、例えば速度劣化等のパフォーマンス障害などを解決してきました。
・日立が提供しているワークフローシステム「Groupmax」のシステムリプレイスのプロジェクトが開始され、これまでのテリトリー外の領域のプロジェクトではあったが、導入経験を活かしてプロジェクトに貢献しました。http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/groupmax/
○ツール系
・JP1(統合システム運用管理)およびバッチスケジュール一覧
自身が保守しているわけではないが、情報システム部様が面倒を見ており、JP1を通じた自動化の仕組みを担当者として会話できる必要がありました。https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/jp1/index.html
◆今後のキャリア選択
某SIerで上流SEの仕事をします。
主任ということで、プロパー社員も含めてチームメンバーを持って仕事をしていくことになります。
再びシステム導入を主務とする職種に戻り、これからのジョブ型雇用社会でも戦っていけるようプロジェクトを通じて自身を鍛えていきたいと思います。
また、以前よりも更に「クリティカルパス手法」を意識して、プロジェクトコントロールのレベルをあげていきたいです。
https://www.ypmc.co.jp/topics/clientview/story10_02/
https://products.sint.co.jp/obpm/blog/critical-path
最後に、今後人の上に立っていくということは、他者から尊敬される人格がより一層重要になってきます。時にはリーダーシップの発揮が必要な場面もあるだろうが、基本的には自分本位な仕事の進め方はよろしくなく、チームとして高いパフォーマンスが発揮できるように愛のある言動を心掛けていきたいと思います。