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緊事宣言による休校中の学校は長引けば代替授業が不可能になり返金が生じる可能性が出てくる。経営的問題に発展する前に1日も早くオンライン授業に踏み切って欲しい。

現在、私の運営する熊谷美術研究所ではオンライン授業を行っている。言わずとしれた緊急事態宣言により、4月10日より校舎内授業、所謂対面授業を休止し、この2週間の授業は全てオンラインで行った。
私が、いずれ他校でもオンライン授業の指導効果が認知され、程なく指導方法として評価されることを予測しながらも、指導の成果を公に向けて公開することを急ぐのは、先日、多くの大学の学生から休校中の授業料の返還の声が上がったからだ。

返還が妥当だと考えられる面も大いにある。ただし、今後行われるであろうオンライン授業は確かな効果がある。効果が正式に評価され、返還する事例としない事例が区別され、やがて整理されていくと思われるが、私が懸念しているのは機が熟さず、十分な判断がなされないその過程において、オンライン授業で十分な成果を上げ、実質問題ない授業を提供しておきながら、返金の風潮に応じるほかない状態に陥ることである。中には廃業を余儀なくされる学校が出てきてしまうかもしれない。コロナの受難に合う前に既に赤字の状態であり追加融資を受けられない状態にある学校はある学校はあるだろう。特に美術予備校には・・。
この最中で私は、返金を強く願う学生の前で、その意に反して、対面授業を休止中の現状でもオンラインで十分に対面授業の代替ができており、返金の必要性がない事実があることを水をさすように歌わなければならない。返金の問題とオンライン授業は相反する。双方の折り合いを上手くつけるために、1日も早く、オンライン授業の確かな機能を十分に伝え、その効果を学生たちと社会が納得できるようにしなければならない。折り合いをつけるには時間を要する。急いで公開しなければならないと考えている。
学校という立場として、私は学生と争うカタチになることだけは絶対に避けねばならない。学校は学生のためにやっていることであり、私の考えとしてはこれから学生主体で物を考えられない、つまり学生の役に立たない学校が淘汰されると見ているからだ。学生が返金の声を上げるその傍らで返金の必要がないことを肯定せざるを得ないことはそのような訳で気持ちのいいものではない。

授業料の返金は、返金対象となる状況が何かを具体的に見極めた後に行われなければならない。現在完全に休校中にある学校で、今後、代替不可能な授業分については必要だろうと思う。ただし、代替可能な分については返金する必要はない。その区別を正確に行うことが返金に対する評価を現状でどこまで正確にできるのかが疑問だが、正しく行われることを願う。私は必要な返金は行うべきだと思う。要不要を本当に正確に見極める見方を早急に確立することが必要だ。

代替不可能な授業は緊急事態宣言期間が延長されれば、されるほど増え続ける。私が本当に懸念しているのは、ゴールデンウィーク開けの開校ではなく、代替が不可能になる、休校が夏頃まで伸びた時の事態だ。そのような事態を想定して、国は正しい返金の制度を確立しなければならないと考える。さもなければ悲劇が起きるだろう。少子化と不景気の影響でギリギリの所で運営している学校が少なくないことくらいは周知の通りだ。そこに通年分の授業料が得られないとなればとても苦しい経営を余儀なくされる。消費マインドが極限まで冷え込む今、デッドラインを超える学校が出ることは想像にやすい。

この経営の危機を乗り越えるには1日も早くオンライン授業を実施、その効果を立証、社会に詳細にレポートして、1日も早く認知してもらう必要がある。オンライン授業をまだ始めていない他校様には是非とも1日でも早く着手してほしいと願う。

最後に、詳細は割愛するがzoomの導入には特性がある。我が校を例に挙げられるように、zoomを使ったオンライン授業は比較的小規模の学校程導入しやすい。小規模の学校の多くは財務体力が弱いため早急にオンライン授業の実施が得策。
zoomを用いれば活きた授業が可能だ。授業が活きていれば、小さな問題を気にしてオンライン授業の導入に足踏みする必要はない。zoomはとても簡単に使えるので導入されていない学校は思い切って導入し、すぐにでもテストしてみることが大切だ。授業としての体裁をとり、カッコよくブラッシュアップするのはしばらく先の課題と考えていいだろう。私としてはここに危機を乗り越える光明を見ている。急ぎこの文章を仕上げ、この2週間の成果をレコーディングとレポートで公開したい。

続く

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