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その燻りを大切に飼いたい

大学に入るまでに浪人1年間、大学を卒業してから+αの学び期間ということで院で2年間を経験した以外、私はごくごく平凡な、普通の、型通りの生き方をしています。
アカデミアの世界に強烈な憧れを抱いた時期もあったものの、自分にこなせるとは到底思えず、多くの学生と同じように就活をして、拾って貰ったメーカーで仕事をしています。”いつかは”と思っていた広報に新卒で配属してもらえたのは、院で勉強していたことが活きた小さな証かもしれません。

自分の希望通りという意味で、不満はないですし、傍からみても特に不満があるようには見えないと思います。働き始めて2年目はいきなり完全在宅勤務からのスタートでしたが、比較的大きい会社のため立場も守ってもらうことができ、前年比困窮したどころか生活の質は確実に上がっています。

それでも、燻りはいつも心の中で飼っています。なんなら、主従逆転して何をしても「いやだなぁ、働きたくないなぁ」なんて思うことも多々あります。
「組織が大きすぎて話が全く進まない」といったいわゆるな問題もあれば、「もうちょっと教育して欲しいなぁ」なんて研修制度のこともあれば、「この仕事やりたいけど(orやりたくないけど)なぁ」って心身の不調に直結しやすい話題のこともあります。

モヤモヤが大きくなりすぎると、余計な雑音のボリュームも比例して肥大化していき、やたらと「20代を無駄に過ごさず転職しよう!」とか「自由な働き方にあこがれませんか?」とか、楽な方へと誘う言説ばかりが頭の中に入ってくるようになります。

それをシャットアウトしようと思えば思うほどストレスが溜まるような気がするので、あえて受け入れたうえで「それでも、頑張らないにしてもこの仕事はやりきってみようかな」というスタンスでいるよう心掛けています。このスタンスによって辛すぎて泣いたこともありますし、転職サイトに登録したこともあります。

でも、4月で3年目を迎える私も変わってきました。胸の中を燻る想いは、なるべく早く契約解除して離れようとしていたのですが、意外と飼いならしたまま仕事を進めていくと、ふとした瞬間に燻りが栄養になっていたりすると、気づくことが多いのです。

私にとって、働くことは燻りを大切に飼って、時に喧嘩しながら、必要な時には外に出してあげたり、会いたくなったときにまた会いにいく、その繰り返しなんだなと思っています。
嫌いになったり、暴力を振るいたくなることもないわけではないけれど、共生することで得ることのできる心の豊かさをきちんと抱きしめる。

そうやって。今は、この場所でふんばろうかなと。

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