アダムシャオイムファ ポッドキャスト インタビュー 前編|フィギュアスケート
ポッドキャストでのアダム様のインタビューをご紹介します。
聞き手はフランスの元ペア選手のColine Kerivenさんです。
インタビュー時期は世界選手権を終えた頃のようなのでかなり今更感ありますけど、他のインタビューでは聞けなかった話などもあって興味深い内容になっています。
少し長いので2回に分けました。
画像は動かないですが、背景の本棚がエレガントにお似合いの白Tシャツのアダム様。
そして安定の美ボイスでございます。
聞き手:
(前略)
インタビューにお越しくださりどうもありがとうございます。
あなたにお会いしてお話しすることができてとても嬉しいです。
(世界選手権を終えた)今はメディア出演でご多忙な時期ですから、なおさら光栄に思います。
アダム様:
お招きいただきありがとうございます。
ええ、実際とても忙しくしています。
1週間パリで過ごし、メディア出演をハシゴするという日々が続いています。
通常なら(世界選手権直後は)1週間の休みのはずで、スケートはお休みしていますが本来の休息はとっていません。
聞き手:
お察しします。メディア出演はお好きですか?それともストレスになることですか?
アダム様:
どちらかといえば好きです。
メディア出演に慣れるのは時間がかかりました。
テレビカメラの前で話したりするのは、スケートしているところを映されるのとは異なりますので。
得意なことではありませんが、慣れるように努めています。
徐々にではありますが楽しめるようにもなってきています。
世界選手権について
聞き手:
銅メダルを獲得されたモントリオールの世界選手権から戻られたばかりですね。
何よりもまず、おめでとうございます!
とりわけ皆さんが目撃したあの逆転劇。不本意なショートプログラムの19位から、フリープログラムで3位の銅メダルまで巻き返しました。
見たことのない信じられない出来事でした。
ショートとフリーの間はどのようなお気持ちでしたか?
アダム様:
ショートプログラムの後はとてもフラストレーションを抱えていました。まったく不本意な出来でしたので。
コンディションもよく試合に向けて準備万端だと思っていましたから、この時点で失敗したことにとても落胆しました。
でもまだ試合は終わっていないわけだし、自分を立て直して、フリープログラムに向けて改めて集中する必要がありました。
(ショートからフリーまでの)2日間は少し複雑な心境でした。
落ち込んではいませんでしたが、自分のショートプログラムの出来にはとても怒りを感じていました。自分の実力を発揮できませんでしたから。
本当のところ、私はただリベンジをして自分の実力を示したかったのだと思います。
聞き手:
そうですね。
(コーチの)ブノワとセドリックからは何か言葉をかけられましたか?
アダム様:
セドリックはフランスにいて来られませんでしたが、ロドルフとブノワが試合に帯同しました。
ですので(セドリックとは)電話で話しました。
セドリックは「心配するな。試合はまだ終わっていない。」と言ってくれました。
平昌オリンピックでのネイサンチェンの例をあげ、ショートプログラムで失敗してしまったけれどフリープログラムでは1位となり、全体として大きく巻き返しをしたと。
ロドルフも私に試合はまだ終わっていないのだから、心を落ち着かせて強い決意で臨まなければならないと言ってくれました。
ブノワからの言葉は(悪い意味ではなく)少し厳しいものでしたが、彼の言葉には私も全く同感しました。
「こんな悪い出来の演技をしてしまったのは珍しいことだ。自分を奮い立たせ覚醒しなければならない。」
フリープログラムの直前にも、ブノワからはボクシングの試合に出る前のような調子で声をかけました。
「何をすべきかは分かっているはずだ。これまで何度もしてきたことだ。
自分の成果のために闘え。自分自身と闘え。やれ、行け!」
聞き手:
今冷静になって分析すると、ショートプログラムでは何が起こったのでしょうか?
ヨーロッパチャンピオンであることから、期待やプレッシャーを感じていましたか?
アダム様:
正直なところ、そういった期待は特には感じていませんでした。
過去の実績を受けてのプレッシャーというのは特になく、もちろんどの試合でもプレッシャーというのはありますが、調子はわりと良かったのです。
しかし自分が置かれていた状況が少し恵まれすぎていたのか、物事に積極的に挑戦する姿勢が弱かったと思います。
自分をコントロールし、ジャンプの成功に全力を尽くそうとしていましたが、実のところ心構えが欠けていたのです。
いい結果を得るためには、そのために闘わなければなりません。
聞き手:
そのとおりですね。うまく対処されましたね。
試合のなかでのプレッシャーとはどのように向き合っていますか?
スポーツ心理学者の協力を得ていますか?それともメンタルトレーニングをされていますか?
アダム様:
はい、ニースにメンタル面でのトレーナーがいまして、とても助けになっています。
コーチ陣とのコミュニケーションもとても役に立ちますし、音楽鑑賞も同様です。
自分自身について
聞き手:
(音楽については)また後ほど語り合いましょう。
ポッドキャストの中で私がすべての方に尋ねる質問があります。
あなたはどのような人ですか?あなたの身近な人があなたについて話すならば、どのように言うでしょうか?
アダム様:
私の身近な人が私のことを話しているとしたら、質問に答えられるでしょうが・・
聞き手:
あなたはとても楽しくて芯のある人だと思いますが、他にもいろいろな面があると思います。
アダム様:
私の親しい人たちは、私はとても強い決意をもって行動している、そしてとても情熱的だと言っています。
あと、とてもいい人に見えると言っています笑
聞き手:
あなた自身について形容するのは難しいことですが、一つ確かなことはあなたは前へ前へ進む人ということです。
他の方があなたの進む道にういていくであれば素晴らしいことですが、いずれにせよ、あなたはあなた自身の道を進み続けることでしょう。
あなたの道に他の方々が加わるのであればより良いとは思いますが・・・
アダム様:
そうですね。私は自分の道を少しずつですが、自分のペースで、一人で歩んでいます。
もし自分の歩む道に他の人たちがいるのならば共に歩みます。そうでなければ一人で進みます。
家族について
聞き手:
実際あなたはこれまで頻繁に引っ越しをされていますね。
私の記憶では、ボルドー、トゥールーズ、ポワティエ、クールブヴォワ、そしてニース。
ポジティブに歩んでこられました。毎回新しい街に溶け込み、身近な人たちとその経験を共有することができました。
アダム様:
数多くの移動をしてきましたが、父と兄弟たちと離れるのは特別なことでした。
毎週水曜日と金曜日は母が付き添いでトゥールーズまで往復しました。母の運転で4時にボルドーを出発していました。
その次の年から6年間は母とトゥールーズに移り住みました。
毎週末には(他の)家族に会うためにボルドーに帰っていました。
このころはほとんどの時間をスケートリンクの上で過ごしていたため、家族と離れている寂しさをそこまで感じていませんでした。
いつも慌ただしく過ごしていていて、週末にボルドーに帰ったときには家族との時間を満喫しました。
ポワティエに移り、ポワティエでの最後の数年間には一人暮らしを始め、自立して生きることを学びました。
クールブヴォワでもニースでも一人暮らしで、可能な時には家族に会いに行っています。
今は兄二人がオーストラリアとカナダ、姉と両親がボルドーに住んでおり世界中に散らばっていまますので、会える時には会いに行きます。
最近では家族全員がモントリオールの世界選手権に来てくれて、皆に会うことが出来て本当に嬉しかったです。
兄の一人とは2年ぶり、もう一人の兄とも去年の夏以来でした。
時間が経つのは早いとはいうものの、長い間彼らに会えていなかったのでとても恋しかったのです。
聞き手:
当然のことです。彼らもよく分かってくれていると思いますよ。
彼ら(兄と姉)もスケートをしていましたし、あなたのレベルではなかったかもしれませんが、皆スケート経験者です。
アダム様:
まさにそうです。
姉が一番先にスケートを始めて、そのあと兄二人が続きました。
彼らは移動の大変さや競争の厳しさ、その他フィギュアスケートに関する事情をよく知っています。
彼らには彼らの人生があり、それぞれの道を歩んでいるけれども、再会できるときには会って家族の時間を一緒に楽しんでいます。
今後のキャリアについて
聞き手:
別の話題になりますが、先日電話でスポーツ競技からの引退について話し合いましたね。
私の場合はもう1年もスケートをしていません。
あなたは現役後のキャリアについて何か考えたり準備されたりしていますか?
アダム様:
準備していることはありませんが、考えてはいます。
遅かれ早かれその時がやってきて、スケート靴を脱がなければなりません。
高いレベルのフィギュアスケート選手の場合、アイスショーなどを除けば選手寿命はかなり短いです。
また、いつ何時けがをするかもしれないことも考慮しなければなりません。
自分の仕事道具である体が使えなくなったら、その後のキャリアは難しくなります。
そのため将来に備えて、スケート以外にも並行して様々な活動をしています。
聞き手:
具体的に教えていただけますでしょうか?
アダム様:
もちろんです。
現在はリモートのオンライン授業でデジタルコミュニケーションとグラフィックウェブデザインを勉強しています。
加えて、スポーツやスポーツ関連の発展のための活動もしています。アスリートとして私には有益なことです。
これらの経験は自分のソーシャルメディアをより進化させ、よりアクティブに活動するために役立ちます。
また、スポンサーを探すための活動、写真、動画、動画のアイデアの制作にも取り組んでいます。
近いうちにVLOGも開始予定で、とても楽しみにしています。最初はカメラの前に立つのが得意ではありませんでしたが、今は楽しんでいます。
またギターも演奏します。あまり上手ではありませんが、音楽には常に情熱を感じていますので、スケートを辞めた後は音楽方面に向かうかもしれません。
(後編に続く)
インタビューの後編はこちら↓
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