その愛はベストで確実か?④ハジウォンとヒョンビンの身体性と演技の素晴らしさ
ここまではドラマから感じたテーマを書きましたが、やっぱりドラマは役者あってのもの。その姿かたち、身体を通した台詞があって心動かされるもの。この回では主役のふたり、ハジウォンとヒョンビンについて書いてみます。 ※ネタバレもあります、ご了承ください。
④ ハジウォンとヒョンビンの身体性と演技の素晴らしさ
そもそもこのドラマを見始めたのも、「ファンジニ」のハジウォンと、「愛の不時着」「私の名前はキムサムスン」のヒョンビンがどちらも好きだったからでした。
撮影時、ハジウォンは32歳、ヒョンビンは28歳。それぞれひとつのピークを迎えていて、顔も身体も本当に美しい。22歳と18歳でも、42歳と38歳でも成立しない。この年齢でなくては、そしてこの二人でなくては出せない美しさと強さと揺らぎがあってこそのドラマだと感じます。
第10話で、ライムがなわとびをしている姿、ジュウォンが上半身裸で髭をそる姿の、短いカットが差しはさまれます。二人は恋愛初心者なので、ここまでのやりとりは子供っぽいのですが、身体はもう成熟しているということを示すカットだと思えました。
ハジウォンは、スタントウーマンの役にふさわしく、しなやかで鍛えられていて、かつ女性らしい身体と表情が本当に魅力的です。
山荘のベッドで、ジュウォンがライムを抱きしめるシーンでの、横顔の小鹿のような愛くるしさ。
パーティで黒いドレスをまとって見せる横顔の、視線の強さ。惜しげもなく見せるデコルテのラインの美しさ。
そして、前半は怒ってばかりだったライムが、後半は愛されることで可愛くて泣き虫な、これまで隠していた女性的な面がどんどんあらわになっていく様をみごとに表現していきます。
どうしても彼に会いたくて、ジュウォンの後姿をみながら電話をかけるシーン(第17話)で、歩いて遠ざかるジュウォンに「どこ行くの?(オディカ?)」という表情など、今思い出しただけでも涙が出そうになるほど可憐です。
それから、寝ているだけなのに中身がジュウォンだとわかる表情(第18話)はどうしたら作れるのだろう…本当にすごい。
ヒョンビンは、シーンごとでも表情が違って、同じ人物と思えないほどの百面相ぶりですが、視線や表情に、どうしてあんなに的確に感情を乗せることができるのでしょう…特に印象に残っているのが、
・アクションスクールのオーディションのシーン(第2話)、ライムを見るときの、この女落とす目線(すごい破壊力!)
・その後、スクールの先輩達と話すシーンでの視線(眼の動きだけで、彼の傲慢さ、先輩たちをどれくらい低く見ているかがわかる)
・ライムが真剣にアクションに向き合っていることを知った後、ライムを見る含羞と眩しさのない交ぜになったような眼(第2話)
・スルとお茶をするシーンで(第12話)、瞼を閉じてライムを思い浮かべている表情(どれほどライムが好きかが伝わってくる)。
・パーティでライムにキスをした後の表情(第14話 これについては次の回で書きます)
その人の感情を想像し感じ取る繊細さと、それを表現する技術の両方があってこそ成立するのだと思いますが、それにしても見事という他ないです。キムジュウォンという実在の人物にしか見えないほど。
あと、済州島でライムを探すとき(第5話)、スクールで隠れているライムに気持ちを伝えるとき(第13話)など、ここぞというとき、ヒョンビンの声は腹の底から出ていて、身体の線の細さとアンバランスなほどですが、それもまた魅力的です。あんな風に言われたら、ライムでなくても心動かされてしまいますよね。
まだまだ書きたい部分はありますが、それは皆さんに映像で確かめてほしい、そしてぜひ皆さんの感じたことも教えてほしいです。
画像は「みんなのフォトギャラリー」よりお借りしています。
kyo_shakumotoさん、ありがとうございます。