「FACT FULLNESS」 ハンス・ロスリング 著
今更ながらFACT FULLNESSを読み終えた。
2020年度上半期ベストセラー第一位になるだけあって非常に読み応えのある面白い本だった。
本書を読んで僕が咀嚼した内容は
●人々は世の中で起きていることを正しく理解していない。
→世界の事実に関するクイズの全世界の人の正答率は33%よりもずっと低い
(本書ではチンパンジー以下と表現。)
●FACT(事実、データ)に基づいて物事を見る癖をつける。必ず1次情報にアクセスすること。
→データをしっかり見れば自分の物事への捉え方が歪んでいたことに気づく場合が多い。
2次情報ではなく、1次情報にアクセスして自分の頭で考える癖をつける。
●数字や統計を疑う。
→ニュースで見かけた数字をそのまま受け取るのではなく、別の数字と比較したり、割合に直したりして判断する。
●人間にはネガティブ本能があり、良い情報よりも悪い情報の方が意識が向きやすい。
→人間の本能としてネガティブなことに興味を持ちやすいことを認識しておく。
「悪い」と「良くなっている」が両立することを理解する。
他にも大事なことはたくさん書かれていたが本書の内容を一言でまとめるなら
1次情報を基に物事を判断する、また批判的に物事を疑うことの重要性
ということになるだろう。
特にこのデータの重要性、データに基づいて世の中や物事を見るという話は
大学時代の統計学や計量経済学の授業で口酸っぱく言われていたことなので
それほど目新しいという話ではなかったが改めてその重要性を再確認する上でも良い本であった。
著者のハンス・ロスリングさんは本著の内容の1部をTEDでも講演されており、
こちらのスピーチもハンスさんの情熱がより伝わる動画で素晴らしかったので貼っておきます。