DQの戦闘はなぜ面白いのか
DQの戦闘は、特に真新しいことをやっていないのになぜかそれなりに楽しい。その要因について考えてみました。
ちなみに、私はDQは1~6までしかやってないのでそれより後のシリーズについてはよく知りません。7は途中で挫折しました。
①一手先が読みやすい
敵のHPや、与えるダメージ量が絶妙なバランスに調整されていて、あと何発殴れば倒せるかといった予測をつけやすくなっています。
例として、DQ3の序盤で出現するフロッガーはHPが15程度あるが、メラ(ダメージ10前後)一発だけでは倒せないから、もう一発は殴る必要があるな、とか。
そしてヒャド(ダメージ30前後)なら確実に一発で仕留めることができるな、とか。
こういったことがプレイしていると自然に理解することができます。
※この頃のDQは、呪文のダメージ量が使用者のステータス等で変動することはなく一定です。
②揺らぎの要素がある
通常の戦闘は大体3~4ターン程度で終わることが多いのですが、同じ敵と繰り返し戦っても、毎回同じ流れになりにくくするため、以下のような揺らぎの要素があります。
会心の一撃(攻撃力倍化+防御無視)
通常攻撃のミス
毒針で一撃死
モンスターのランダム行動
呪文が確率で失敗
※初期のDQは、敵側の呪文耐性が確率で無効化(または完全に無効化)することで表現されていました。
これらの要素により、ときおりプレイヤーの予測が裏切られ、意外な展開が望めます。
③報酬にも揺らぎがある
報酬が常に必ずもらえるよりも、もらえたりもらえなかったりするほうがより強い動機付けになるそうです。
これは動物実験などにより明らかになっています。
DQでは、敵を倒した際にもらえる経験値やゴールドは常に一定です(さすがにもらえる経験値がランダムだと理不尽に感じるでしょう)。
ですが、ドロップアイテムが入手できるかどうかは確率によって決まります。
また、大量の経験値を持つメタル系モンスターはよく逃げるので、遭遇しても倒せるときと倒せないときがあります。
つまり、これらが「もらえたりもらえなかったりする報酬」であり、戦闘を間接的に(だが時として強力に)面白くしているのです。
④幅広い戦略を許容する
FFをはじめとした多くのJRPGでは、各敵に明確な弱点属性(火に弱い等)が設定してありますが、DQの敵にはそれがありません。
▲▲の呪文が効くのでこれが有効である~というのはあるけど、決定的な解となる戦法は無いことのほうが多い。
DQ3のバラモスは、ラリホーもマホトーンもルカニも効きますが、呪文が効いてもこちらが決定的に有利なるというわけではありません(呪文を封じたら封じたで炎を吐いてくるし、眠る確率もそこまで高くない)。
つまりこれらの補助魔法を使ってもいいし、使わなくてもいいという塩梅に調整されているのです。
⑤敵の見た目や名前から性能を予測しやすい
メイジ▲▲という名前なら何かしらの呪文を使ってくるし、どくどくゾンビなら間違いなく毒を使ってくる。わかりやすいですね。
また、色違いのモンスターは似通った性能をしてることが多いので、下位の敵とすでに戦った経験があればどんな行動をするのかある程度予測がつきます。
⑥脳筋プレイも許容する
戦闘であれこれ考えたくないんじゃー、というプレイスタイルにも対応しているのが、DQの懐の深さです。
DQ3なら戦士や武闘家を入れてひたすら打撃と回復のみで進んでもいいし、DQ4より後の作品ではAIによるオートバトルも選べます。