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奇跡を信じて芝居をするな
『奇跡を信じて芝居をするな』
これは、お座敷コブラの脚本・演出を担当する伊藤裕一氏の口癖でございます。
常々彼が言っているこの言葉。
そこに潜む真意。
そして彼が普段何を想い、芝居を作っているのか。
そんなことを彼から聞き出して、ここに記していこうと思います。
もしかしたら、一般のお客様にはまったく響かない内容になるかもしれません。
これから俳優を志そうという方には、ちょっとした指針
物語の「主軸」を捉える
作品世界はまさに電車の路線図のようなものです。
今「自分」と「共演者」「観客」が乗っている電車の通っている道筋、電車の速度を主軸だと思ってください。
作品のフォーカスの当たっている部分、今一番見せたい部分が主軸です。
それをしっかり把握できないと、演技は的外れなものになってしまいます。
後の項でも説明しますが、これは俳優が犯しやすい失敗のひとつでもあります。
シーンの目的を決める
台本は、連続したいくつものシーンから構成されます。
それぞれのシーンでは、「シーンの目的」を定めましょう。
「シーンの目的」は「全体の目的」をサポートするものでなければなりません。
つまり、全体の目的を踏襲したうえで、そのシーンをどういった目的で挑むかを決めなくてはなりません。
また、シーンの目的は「他人に影響する」ことを意識して決定しましょう。
相手の変化を促すことを自分のシーンの目的にします。
無駄なものは省き、自己満足はしない
このほかにもたくさんの無駄がありますが、「作品をよくするうえで必要のない作業」はわざわざやる必要はありません。
ふとした時のしぐさがどうの等という境地にまで至るには、しっかりとした訓練が必要ですし、所作が独特な場合は、所作指導が現場につく場合も少なくありません。
中途半端な知識のせいで、指導者の指導を上手く受け入れられない等の弊害も起こり得る(流派の違いなど)ので、しっかりと何が必要なのかを判断し