2年かけてつくる木桶の醤油仕込みの体験
創業120年、天然醸造の醤油づくりを続ける
佐賀の丸秀醤油さんの蔵開きイベントを訪問。(10月6日)
今年は「木桶仕込みのワークショップ」があるというので、
これはぜひ参加したい! と2年振りに一路佐賀へ。
六代目秀島健介さんの「醤油の製法」についての話を聞く。
醤油の原料は大豆・小麦、(麹菌)、そして塩と水。
蒸した大豆に煎って砕いた小麦を混ぜ、麹菌をふり、
3日かけて(醤油)麹をつくる。
醤油麹と塩水を混ぜたもろみ→発酵・熟成→圧搾→火入れ→完成。
一般のしょう油つくりは培養した乳酸菌・酵母・酵素をもろみに添加し、
人工的に温度管理をして発酵を促進。3~6ヶ月。
天然醸造は蔵付の乳酸菌や酵母がもろみに入るのを待ち、温度管理はせず、
四季の移り変わりで発酵・熟成させる。1~3年ほど。
麹菌→乳酸菌→酵母の順に、それぞれの菌が役割を果たし、交代していく。
秀島さんいわく「主役は菌。僕らは菌が育ちやすい環境をつくる」。
夏に活発になる菌の活動は秋には徐々におさまり、熟成へ移る。
夏を2回経過させると、1年ものと香りが全く違うのだとか。
2年熟成を行なう蔵も今は全国的に少なくなっている。
(ちなみに2年熟成と3年熟成の香りの違いはそんなにないとのこと)
急がずムリをせず。季節の巡りをしっかり感じて育った醤油。
野菜と同じように、それが一番ヒトに合っているのだろうと思う。
味の深みもいうまでもなく・・・。
醤油について学んだあとは、参加者20人で木桶に仕込みを開始!
<材料>
・しょう油麹(長崎産大豆・佐賀産小麦)
・食塩(長崎五島沖の海水塩)
あとは丸秀さんの管理の元、蔵で2年間の熟成を待つ。
天然醸造じゃないとダメ、と思っているわけではなくて。
年々「本来は・・・」が分かりづらくなったり消えていったりする今日、
とくに食について「本来は」を知る機会があるのはとても貴重だと思い、
好奇心に駆られ、動いている。
〝そもそも〟の成り立ちを知り、醤油とのつきあいをちょっと深めてみる。
出来上がるまでの工程の手間暇を、
わずかでも実際に知ってみたいという思いもある。
20人と醤油職人、そして蔵付きの菌と四季で作る天然醸造醤油。
2年後を楽しみに。(^^)