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自家製天然酵母作りが失敗する原因とは?発泡なし?ゆるい?

この記事は「こびとのカフェ」という【自家製酵母とパンのブログ】からお引越ししてきた記事です。
元記事公開日:2017年7月31日 1:03 PM

自家製酵母、どうなったら失敗?

自家製酵母を始めると、いろいろなことが気になる!!!初心者ならなおさら分からないことだらけ!!!

これってどうなの?失敗なの?パン作ってもいいの?

そんな気になる自家製酵母の失敗に関係する疑問に、答えていきたいと思います!

すべて僕の経験からの回答なので、悪しからず。


液種失敗の原因とは?


まずは液種の失敗原因から見ていきましょう!


液種がしゅわしゅわ発砲しない?!


瓶も煮沸消毒したし、材料を入れて、水を入れて、もう何日も待っているけれどウンともスンとも言わない!!!全然気泡が上がってこない!!!


じりじりしちゃいますね。


その場合考えられるのは、

・材料(フルーツなど)を丁寧に洗いすぎて酵母菌がいなかった。ドライフルーツがオイルコーティングされていた。

・しかも部屋が清潔すぎて(?)、野生の酵母菌がいなかった。

・あるいはすでに酢酸菌や乳酸菌が多すぎて、その勢力に酵母菌は負けていた。


この辺が考えられます。


酵母菌は、フルーツの芯の部分やヘタの部分、皮の部分に生息しています。なので、皮やヘタや芯を綺麗に取り除き、しっかり洗いすぎたようなフルーツでは酵母はなかなか起こせません。また、オイルコーティングされたレーズンやクランベリーも、酵母があまり起きません。ドライフルーツはオーガニック&オイルコーティングなしのものを使いましょう!


もちろん空気中の野生酵母で起きる可能性もありますが、それはなかなか難易度が高いです。

(粉と水と空気中の酵母菌だけで作る「ルヴァン(発酵種)」という古代からの製法は、この作り方ですね。初めての方には難しいです)


普通の生活していれば、空気中にも酵母菌は存在するのですが、あまりにも清潔にしている(除菌しまくっている)家では、酵母菌もなかなか生きづらいようです。実際に育たないご家庭もあるんだとか。


その他、常温が夏で暑すぎたため、あっという間に液が乳酸菌に支配されていたりするかもしれません。ちょびっとだけ舐めてみてください。酸っぱかったら諦めて、1から作り直しましょう。


液種がものすごく酸っぱい?!


上で乳酸菌の話をしましたが、乳酸菌は本来自家製酵母を作っていればほとんど酵母菌と一緒に共存している菌です。特に悪者ではありませんが、増えすぎると酸っぱくなります。また、糖分が足りなくなってくると、酵母液はアルコール化してゆき、そのアルコールをエサにして酢酸菌が勢力を増します。すると、酵母液はアルコール→お酢と変化してゆきます。


液種がものすごく酸っぱい場合、パン作りに使う酵母液としては失敗なので諦めましょう。でも捨てないでドレッシングにする手もありますよ。掃除に使ってもいいですしね!


関連記事:自家製天然酵母液種活用法6選!料理にも掃除にも?


液種の匂いが変?!


腐敗臭がしたら、捨ててください。匂いが変だと感じられるほどのものは、味見もしないで捨てましょう。失敗です。


液種の表面や瓶にカビが・・・


液種の表面に白いふわふわが浮いていたり、緑や黒、その他「やばいだろ」的な異物が確認できる場合には、それも明らかに失敗です。


瓶の消毒が足りていなかったり、管理温度が暑すぎたり、蓋を開ける際に不清潔な環境で開けていたりすると、このような失敗をする可能性があります。気を付けましょう。


元種失敗の原因とは?


次に元種の失敗の原因を見ていきましょう!


元種が膨らんでこない?!

液種に問題がある可能性が高いです。問題とは、腐っているとかカビているなどではなく、酵母がちゃんとできていない(完成していない)状態で、元種作りに移行してしまったということです。酵母菌の絶対数が少ない酵母液では、元種は膨らんできません。


液種はちゃんと振ったときに「しゅわしゅわ」しましたか?蓋を開ける時に「しゅぱっ!」と言いましたか?これらが液種完成の合図です。


(※とてもささやかな発酵をする酵母もある。そのような場合は、酵母液の下にたまった「澱(オリ)」に注目。この澱に酵母が潜んでいるかもしれません。発酵が小さな気泡でぷくぷく・・・ぷく、とささやかでも、この澱に賭けて元種を仕込んでみる価値はあります。


この液種でストレートで仕込むのはリスクが高すぎるので、元種から作ってみることをおすすめします。)


元種がドロドロ。ゆるい?!

材料の種類、酵母菌の種類によっては元種のゆるさが違ってきます。出来上がった種の元気さによっても変わってきます。老化してくるとゆるまってきます。出来立ては比較的固めでハリがあります。


しかし最初からゆるめの元種もあります。その場合は、きちんとぷくぷく発酵しているのが見て取れれば、パンに使用して大丈夫です。


ただし、どろどろ、ゆるゆるの原因が「タンパク質分解酵素」にある場合、ぷくぷくすら確認できず、たぶん問答無用で「ドロドロ」状態だと思います。その場合はもはやパンを作る能力を持たないので、あきらめて酵母液から作り直しましょう。


タンパク質分解酵素を含む食材は、酵母づくり&パン作りには向きません。以下の記事で確認し、覚えておくと良いでしょう。

パン生地をべちゃべちゃにする原因?タンパク質分解酵素が含まれる食材とは?


元種のカサが減った?!


この現象を「種落ち」と言います。最初は2倍に膨らんでいた瓶の中の元種が、また混ぜたときの量までだんだんと減っていきます。


これはある意味「発酵種」の使い時ピークでもあり、これをこのまま放っておくと、もう下り坂。老化の道を進んで行きます。以下の記事にも「種落ち」したらパン作りに使用する発酵種について説明しているので、興味のある方はご覧ください。


関連記事:ストレート法・中種法・ポーリッシュ法・老麺法の違いとやり方と特徴とは?


種落ちした!と思ったら、早めにパンに使ってあげましょう。もちろん種落ちしていない元気モリモリの元種もパン作りに最適です^^


元種の元気がない?!


上記の「種落ち」状態から少し経ってしまった元種。見るからに元気がない状態なら、まずは1:1の粉と水(又は液種)で掛け継をしてあげましょう。これで復活してくるようでしたら、それを使用すればいいですし、それでもよぼよぼが改善されない場合は捨てるか、ピザなどの平べったいパンに使ってしまいましょう。


腐ったりカビたりしておらず、においも味も大丈夫な状態であれば、発酵力が弱まっているだけなので、使うことは可能です。無駄にせずに、再生させるか使い切ってしまいましょう!


元種にカビ・・・


すぐに捨てましょう。失敗です。


元種が分離している?!


水分が浮いてきて分離している場合、ちょっとびっくりしてしまいますが、冷蔵庫に放置しすぎると良くあることです。まずは匂いチェック。見た目もチェック。


カビや異臭がなければ、次に味チェック。すっぱすぎなければ、適度な酸味なら清潔なスプーンでかき混ぜ、パンに使ってみても良いでしょう。(成功する保証はありませんが)。


僕はライ麦ルヴァンはたまに分離してしまいましたが、混ぜて使って、立派なボリュームのあるパンが焼けていました。しかし、他の酵母で同じことをした時には、しっかりパンが膨らまないこともありました。


分離していても、まだ酵母にパンを膨らませる元気が残っていればいいのですが、もう寿命直前だったりすると難しいかもしれません。


元種が酸っぱい?!


適度な酸味ならパンに使って、自家製酵母らしい酸味のあるハードパンなどで「楽しんで」しまえばいいでしょう。僕は自家製酵母独特の爽やかな酸味が好きで、適度な酸味なら大歓迎なのですが、元種自体があまりにも酸っぱい、舌がピリピリするというほどなら、潔く捨てて新しく作った方が良いでしょう。


あるいはパンに配合する量を少なくしたり、ドライイーストをほんの少しドーピングしたりすると膨らみやすくなるでしょう。その場合、酸っぱくなった元種は「出汁」的な役割で、パンに風味と奥行きを加えてくれるものと考えたらよいかもしれません。


いかがでしたでしょうか。初めて出くわすと「え、これって失敗?」と思うような微妙なことも、意外と「まだいける」「蘇れる!」ってことがあります。自家製酵母は完全に自己責任での育成なので、カビや腐敗には十分に注意し、美味しいパンを焼いてください^^


こびと

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