ライ麦粉とは?ライ麦パンのグルテンやカロリーが気になる!
ライ麦とは?
僕たちが良く知っている「小麦(コムギ)」はイネ科の植物ですが、
最近健康食を語る上でよく出てくる「ライ麦(ライムギ)」も同じくイネ科です。
小麦は世界中のいたるところで栽培されており、日本でも北海道や九州などで栽培されています。
一方ライ麦は小麦が育ちにくい寒冷地でも育つということで、昔から北欧や北米などで栽培されてきました。
日本でも育てられていますが、ほとんどは飼料用になります。
どちらも人類が発展していく上で欠かせない穀物の1つですが、
実は、パン作りにおいては全然違う粉だったりするんです・・・!
今日はそんなライ麦の特徴や魅力に迫ってみたいと思います^^
ライ麦と小麦の違いは?
ずばりグルテンです!
小麦粉はふんわりしたパンを焼くのに欠かせない材料ですよね。
そのふんわり膨らむ理由はグルテンなんです!
ライ麦を使うドイツパンの多くが「ずっしり」しているのには
そんな理由があったんです。
ライ麦粉のグルテンは?
ではなぜライ麦でも(それなりに膨らんだ)パンがつくれるのか?
その理由は「ライ麦がグルテンの構成要素の1つであるグリアジンという成分は持っているから」です。(→同じく参考文献:パンの文化史 (講談社学術文庫)
膨らむと言っても小麦ほどではありませんし、出来上がったパンは水分量と密度の高いずっしりとしたものになります。
これにはメリットもあって、保水性が高い分、小麦のパンよりも日持ちするんです!
また、ライ麦のパンは酵母も独特なものを使用していて、
サワー種と呼ばれる乳酸菌主体の多数の酵母菌が共存している種を使用して発酵させます。
サワー種のおかげでライ麦の生地が酸性化し、膨らみやすくなるのです。
そのぶん酸味を感じますが、その酸味がまたいい感じなのです。
僕も最初の頃は、自家製酵母やライ麦パンの酸味が苦手だったのですが、
自家製酵母の面白さにハマっていくうちに、
パンの奥に香るささやかな酸味が大好きになりました^^
特に夏なんかはその酸味が食欲を助けてくれたりして♪
最初は健康目的でライ麦を取り入れる生活を始めた方も、
しだいにその酸味の虜となっていくかもしれませんよ?
ライ麦の栄養素が高い?体に良い?
健康志向の方が増えてきた中で、ライ麦がここまで注目されるようになったのには2つのわけがあります。
1つ目は、小麦よりもはるかに高い栄養素を備えていること。
2つ目は、体に悪いとされるグルテンを含まないことです。
しかしグルテンフリーを実践する人は、
ライ麦にも気を付ける必要があります。
確かに「小麦のようなグルテン」の量や質を含んでいないことは確かですが、ライ麦がグルテンフリーかと言えばそうではありません。
※グルテンとは、実は小麦にもともと存在する成分ではなく、小麦に存在する「グリアジン」と「グルテニン」という2つのたんぱく質に水を加えてこねることで作られるたんぱく質の一種です。
よって、グルテンを作り出すための「グリアジン」に似たセカリンという成分を持っているライ麦に、アレルギー反応を起こす方もいらっしゃいます。「ライ麦100%のパンならグルテンフリー!」というわけではないということは覚えておきましょう。
特に、アレルギ―のある方へ「ライ麦パンはグルテンフリーだから焼いてみたの。食べてね!」とプレゼントするなどは控えましょう。また、ご自身でご家族のために焼く際にも、自己責任で焼く&食べることをお願い致します。
とはいえライ麦は、栄養素の中でもとくに食物繊維やビタミンB群の栄養価がずば抜けて高く、全粒粉同様GI値も低い食物です。
健康だけでなくダイエットという面においてもおすすめできる穀物だと言えます。
また、小麦のような多量のグルテンを作り出さないため、胃腸の細胞壁をあまり傷つけないのも魅力ですね。(アレルギーのない一般人でも、胃腸の細胞壁はグルテンによって攻撃されていることは多いようなので、少ないに越したことはないですね)
ライ麦粉で作ったパンのカロリーは?
ライ麦50%、小麦粉50%の配合で作ったライ麦入り食パン1枚のカロリーは132kcalで、
ライ麦100%の食パン1枚のカロリーは93kcalです。
食パンではなくもっとシンプルなパンにすればもっとカロリーは落ちますね。
ちなみに50%ぐらいでは普通の食パンとカロリーはあまり変わらないんですよ。
でもGI値が違うので、食べるなら50%でもライ麦が配合されているほうが得です。(ダイエット的にも栄養的にも)
ライ麦100%のパンに挑戦しよう!
いかがでしたか?
健康志向の方も、ダイエットをしたいけどパンが大好きな方も、
ライ麦粉とライ麦パンの良さに気づいていただけたでしょうか。
ライ麦粉100%のパンを日本で見つけようと思ったら結構大変なので、
ぜひこの機会にパン作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
こびと